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ひよこ鑑定士とは?
ひよこ鑑定士は正式な職業名では「初生雛鑑別師」といいます。仕事の内容は、生まれたばかりの鶏の雛、ひよこのオスとメスを分けていくことです。
なぜ「ひよこのオスとメスを分ける必要があるのか」というと、それにより業務の効率化が進むからです。鶏は、オスは主に鶏肉として、メスは主に食用の卵を産ませることが目的となります。この目的の違いによって、オスとメスは飼育方法が異なります。このためひよこ鑑定士がオス、メスを早期の段階で鑑定する必要があるのです。
ビジネスの特徴
養鶏業は、卵を生産する採卵鶏の飼育または鶏肉を生産する肉用鶏の飼育に大別され、概ね以下のような流れとなっています。
- 種鶏育成・種卵生産:採卵または肉用の用途に応じ、雛の親となる種鶏を生産する
- 孵卵・孵化:種鶏が生んだ種卵を孵化させ、雌雄鑑別やワクチン接種などを行う
- 育雛・育成:一定の大きさになるまで雛を飼育し、養鶏場に出荷する
- 養鶏・採卵:成鳥になるまで育て、卵や肉を生産する
ヒヨコ鑑定士は、主に種鶏場内の孵卵場、孵化場と呼ばれる場所で、種鶏が生んだ種卵から孵化したヒナの雌雄鑑別を行います。報酬は出来高制であり、最近ではヒナ1羽当たり4円~5円が相場と言われています。平均的に1羽にかける時間は約3.5秒で、1時間で約1,000羽を鑑別します。また、その鑑別率は、98~100%と高い正確性が求められます。
開業タイプ
個人事業主として開業
全日本初生雛鑑別師協会に登録すると、孵卵場を持つ国内外の養鶏業者へ派遣紹介されます。そこで個人事業主として契約を結び、鑑別数に応じた報酬を得ます。移動用の自動車があれば事務所や設備投資は不要。資格さえ取得すれば個人事業主として開業できます。また、繁忙期と閑散期があり、仕事の量やペースを自分でコントロールしながら、空いた時間に副業をすることも可能です。自由度の高い働き方であることや海外で働けることに魅力を感じて、鑑別師を志す人が多いです。
法人として開業
ヒヨコ鑑定士は養鶏業の中のごく限定された業務に特化した技能資格であり、その資格単独で法人として開業することは難しいです。可能性として、ヒヨコ鑑定士の仕事場を含む種鶏孵卵場の経営が考えられますが、開業にあたっては養鶏全般についてさらに幅広い知識や経験が必要となります。また、用地や設備、雇用など初期投資の面でハードルが高いです。
必要な手続き
「全日本初生雛鑑別師協会」への登録
高等鑑別師考査に合格し、資格を取得したら「全日本初生雛鑑別師協会」に登録します。
開業手続き
個人事業主として行う場合、一般的な手続きとして、個人事業の場合、個人事業の開廃業等届出書、所得税の棚卸資産の評価方法・減価償却資産償却方法の届出書、青色申告承認申請書等を納税地の所轄税務署へ提出します。また、個人事業開始申告書は事業所所在地の都道府県税事務所へ。詳しくは、最寄りの管轄行政に問い合わせが必要です。
法人として会社を設立する場合、定款作成、会社登記をし、法人設立届出書、青色申告の承認申請書、給与支払事務所等の開設届出書、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書、法人設立届出書(地方税)などを提出します。
まとめ
日本人のヒヨコ鑑定士は鑑別の正確さとスピードに定評があり、海外でも高い評価を得ています。現在は日本国内よりも海外で就業するケースが多く、ベルギー、オランダ、ドイツ、フランスなどのヨーロッパ諸国やニュージーランドなどでニーズが高いとされています。