当記事では、パティシエでの開業について解説していきます。
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パティシエとは?
パティシエとは、フランス語でお菓子職人という意味です。洋菓子店やレストランにおいて、ケーキやデザートなどをつくる仕事です。新しいものを創りだすというイメージが強いですが、クリエイティブな能力だけではなく、同じものを同じ味で作り続ける技術が求められます。
パティシエの資格
パティシエに関連する国家資格として、「製菓衛生師」や「菓子製造技能士」があります。製菓衛生師は、菓子製造業で働く人の資質の向上や衛生面での管理に関わる資格です。菓子製造技能士は、一定レベル以上の菓子作りの技術と知識を有することを証明できる資格です。
どちらも所定の製菓専門学校を卒業すれば受験することができますが、製菓衛生士の合格率は60%~80%程度、製菓製造技能士は40%~50%程度となっており、とくに製菓製造技能士はやや難易度が高めとされています。
パティシエのキャリアパスと独立するケース
パティシエになるための学校として最も代表的なのが、製菓専門学校です。製菓専門学校では、菓子作りの技術はもちろんのこと、食品衛生学や食品学、栄養学、色彩学、菓子デザイン、接客術など、パティシエとして現場に出た時に役立つさまざまな知識を学べます。こうした学びを生かし、パティシエとして就職を果たしている人も多くいます。多い就職先として、パティスリーやレストランなどで、そこでパティシエとしてデビューします。
そしてパティシエで独立する場合、ケーキやチョコレート、焼菓子などの菓子専門店を経営するのが一般的です。最近では、菓子教室のインストラクターやフードコーディネーターとして独立する例も増えています。
食品衛生法に基づく営業許可
開業にあたっては、所轄の保健所に営業許可を申請しなければなりません。食品衛生法では、施設ごとに1人、食品衛生責任者を置くことが義務づけられています。
食品衛生責任者となるには、調理師、栄養士、製菓衛生師などの資格が必要ですが、有資格者がいない場合は、保健所が実施する食品衛生責任者のための講習会を受講すれば、資格を取得できます。
そして個人事業主として行う場合、一般的な手続きとして、個人事業の場合、個人事業の開廃業等届出書、所得税の棚卸資産の評価方法・減価償却資産償却方法の届出書、青色申告承認申請書等を納税地の所轄税務署へ提出します。また、個人事業開始申告書は事業所所在地の都道府県税事務所へ。詳しくは、最寄りの管轄行政に問い合わせが必要です。
法人として会社を設立する場合、定款作成、会社登記をし、法人設立届出書、青色申告の承認申請書、給与支払事務所等の開設届出書、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書、法人設立届出書(地方税)などを提出します。
独自性や出店場所には拘りを!
パティシエとしてお店を持つことの最大の魅力は、お菓子を通じて自分の頭の中にあるイメージを形にできる、つまりオリジナル商品を作れることです。「このパティシエにしか作れない」というオリジナルのお菓子はたちまち評判を集め、場合によっては遠方からもたくさんの注文が入るほど繁盛する場合もあります。街を歩けば、こだわりを持っている店がたくさん見つかります。たとえば、「アレルギーに配慮したケーキ店」「無農薬無添加で作った洋菓子店」「季節のフルーツにこだわったお店」「糖分を控えめにした洋菓子店」などです。パティシエの信念が表現されたケーキや焼き菓子が、お客さまを魅了します。
そしてケーキ店の場合、気温が高くなる夏場には売り上げが落ちてしまいますので、涼感を演出するフルーツデザートやゼリー、プリンなどの品ぞろえを充実させたほうが良いでしょう。
出店は、学生や若い女性、主婦が集まる駅前、商店街、大型商業施設などが望ましいです。しかし、交通の便が悪い場所に開業しても、顧客の支持を集め、クチコミで認知度が高まれば問題はないでしょう。
まとめ
最初は大がかりな店を構えなくても、小額の投資で自分の感性を発揮した洋菓子作りをすることもできます。店舗に勤務する場合と比べて作れる洋菓子の種類は減るでしょうが、その分素材にこだわったり、細かな工夫を凝らしたりすることもできます。
このようにして、自分で作った洋菓子をカフェや雑貨屋、小さなホテル、旅館などに提供するパティシエもいますので、最初はお金をかけずに開業することをおススメします。