エンジェル投資とは、創業間もない企業に資金を提供する投資のことです。出資の見返りとして株式を譲り受け、出資した企業が上場したり事業買収されたりした時に、リターンを得ることを目的としています。
今回は、エンジェル投資家に出資してもらうメリットデメリットについて解説していきます。起業家と密に事業を進めるためには最適な資金調達方法なので、是非参考にしてみて下さい。
目次
そもそもエンジェル投資家とは?
エンジェル投資家とは、起業家のスタートアップを助ける個人投資家です。
エンジェル投資家の多くは、現起業家、引退した起業家、M&A・IPOなどで会社を売却して資金を手に入れた実業家達になります。起業直後は、売り上げなどの実績がない為、金融機関や銀行などからの融資が受けにくく、資金面で苦労を強いられます。こうした問題を解決するのがエンジェル投資家です。
エンジェル投資家には、投資の見返りとして、株式などを提供します。エンジェル投資家は、友人などのケースは別ですが、何の利益も見込めないようなベンチャーに対しては基本的に投資はしません。 当然ですが、投資した企業が倒産すると資金回収は出来ませんので、通常の投資と比較すると極めて高いリスクを負うことになるわけです。
エンジェル投資家はなぜ企業に投資をするのか?
エンジェル投資家は、投資したお金を企業から直接回収せず、将来そのベンチャー企業が株式上場した際の出資金のキャピタルゲインを得ることを目的としています。
たとえば、かつてのアップルやマイクロソフト、グーグルやフェイスブックも同様です。これらの世界的な企業も、スタートアップ当時は、独自のプロダクトを開発していたものの、ごく少数のユーザーが使っているに過ぎない未上場企業で、当時は会社の評価も低かったのです。しかし、この投資リスクの低い会社に投資をする賭けをするのが、エンジェル投資家です。
ただ、エンジェル投資家のなかには、賭けという気持ちがなく、純粋に「起業家のビジネスに共感し、社会の課題を解決したいという思いをサポートしたい」という思いから投資をする人も多くいるのも事実なので、取引する際には注意が必要になります。
エンジェル投資家から出資を受ける3つのメリット
1.経営のアドバイスがもらえる
元起業家として実績を上げたエンジェル投資家たちのアドバイスが貰えます。特に起業直後は重要で、事業が軌道に乗るように、今までの経験も踏まえてアドバイスが貰えます。
2.コネクションから紹介がもらえる
エンジェル投資家の幅広いコネクションを利用することも可能です。エンジェル投資家は投資をした以上、失敗は避けたいので、持っているコネクションを惜しみなく紹介してくれます。
自分自身では到底関りが持てない企業や経営者などを紹介してもらうことも出来ます。
3.精神的な支えになる
起業家は孤独で、時には難しい決断をしなくてはいけないのですが、その時に経験のあるエンジェル投資家に精神的なサポートを行ってもらうことが出来ます。
エンジェル投資家から出資を受けるデメリット
色々なタイプのエンジェル投資家がいますが、基本的には起業家と一定の距離を置くエンジェル投資家がほとんどですが、中には経営の根幹まで首を突っ込むエンジェル投資家もいます。
資金を受けられるメリットと引換に「窮屈な思いをする」といった意見があるほか、株の所有率が多すぎるエンジェル投資家もいるようです。起業家の持ち分比率が低ければ(経営権剥奪など)経営で問題を抱えることや、会社売却で自分自身が損をする可能性があります。
エンジェル投資家と接点を持つには?いつ探し始めるのがいいのか?
当然ですが、エンジェル投資家に投資をしてもらうためには、エンジェル投資家と出会うことが必要になります。エンジェル投資家とマッチングを行っているセミナーに参加するなどの方法もありますが、「この人に投資してほしい」という具体的な希望があるなら、直接SNSを活用してコンタクトを取ってみるのも有効です。なかにはホームページを見て問い合わせをして交渉をした人もいますし、エンジェル投資家が主催するビジネスコンテストを活用して投資を受けることに成功した人もいます。
そして探し始める時期ですが、まず起業前のシードラウンドでエンジェル投資家と面談しても、投資を受けることは難しいです。ただし、シードラウンドの次の段階「アーリーステージ」では、エンジェル投資家の投資を受けるチャンスがあります。事業計画に粗さがあっても製品やサービスが魅力的であれば、エンジェル投資を受けることができるうえに、エンジェル投資家の人脈やノウハウの支援(ハンズオン)を受けて事業を成長させることができます。実際にはこのアーリーステージで資金不足の状況になる企業が多いため、シードラウンドの段階でエンジェル投資家を探し始めることをおススメします。
まとめ
エンジェル投資家に投資してもらうには、メリットデメリットがありますが、最終的には「人として尊敬できる」「人として信頼できる」など今後も付き合っていける人を選ぶのが得策かと思います。起業家の味方になることには間違いありませんので、自分の会社の理念やビジョンなどを話し、よく相手の話を聞き、判断していきましょう。