経費精算の中でも、交通費は、最もよく使われる経費ですが、会社員時代には、会社で交通費精算書のフォーマットを用意している所が多いですが、起業した場合、自身で作成する必要があります。
今回は、交通費精算書の書き方や基本知識について解説していきます。
目次
交通費精算とは?
交通費精算とは、営業担当者などが業務に使用した交通費の内容を申請し、経理担当者が申請内容を確認し、適正かどうかを調べるものです。多くの場合は、1カ月ごとに精算が行われます。会社によっては、業務に要する交通費と通勤手当を区別せずどちらも「交通費」と呼ぶ場合もあります。
交通費精算書の書き方について
公共交通機関を使った場合の交通費精算書の書き方について、上記一般的なサンプル例としてご説明します。
①申請日
申請日は精算する日を記入します。数日間分をまとめて精算する場合は最終利用日以降の日を申請日とします。なぜなら、利用した金額を精算するので未来の日付の未確定な金額は精算の対象外だからです。
②氏名
社員番号を正しく記入します。社員番号と氏名が不一致の場合は、精算者と振込口座名義人が不一致となり振り込めませんので注意してください。
③日付
公共交通機関を利用した日を記入します。数日間分を一括で精算する場合は、日付順に時系列で記入します。
④訪問先
訪問した客先を記入します。買い物の場合は店名を記入します。研修などに参加した場合は主催者と参加した研修名を、社内行事であれば行事名を記入します。
⑤利用機関
移動に使った移動手段を記入します。「JR」「地下鉄」「バス」などだけです。タクシーを利用した場合は「タクシー」と記入します。
⑥出発と到着
電車を例にしますと、出発欄は乗車した「出発駅」を記入します。到着欄は「到着駅」を記入します。乗換駅は途中下車しないかぎり記入しません。
⑦片/往
片道だけ利用したのか、往復利用したのかが判断できるように記入します。往復の場合は、往路の「出発駅」と「到着駅」を記入します。
⑧金額
その経路の料金を記入します。「9.片/往」で往復と記入した場合は往復の合計額を記入します。一部区間が通勤経路とかぶっていて定期券がある場合は乗り越しにかかった金額を記入します。その場合は「7.利用路線」に「JR(定期券あり)」などと他者がわかるように記入しておきます。
⑨備考
交通費精算書に利用目的(外回りか出張か接待かなど)や商談内容などを明記するとチェックを省力化できます。
交通費の精算方法と流れについて
一例として、営業担当者が近場での交通費を精算する際の流れをご紹介します。
・交通費精算書に「日付・訪問先・目的・交通機関種別・経路・運賃」などを記入
・直属上司の承認をもらい、承認印を押印してもらう
・経理担当者が内容を確認。問題があれば差し戻し、問題がなければ出金
・精算金を受け取り、受領日と受領印を押して完了
会社によっては申請の都度出金するのではなく、1カ月単位でまとめて出金している場合があります。
交通費精算書の注意点とは?
公共交通機関の精算に領収書は不要
日常業務で使う公共交通機関の精算に領収書は不要です。営業などの移動中に経路と料金をメモしながら移動するは大変です。そういった場合は、精算時に経路検索サービスを使い利用経路の金額を調べて精算します。
交通費の精算は日々発生するため大きな事務負担となります。最近はSuica等の交通系ICカードの履歴を読み取りリーダーを使い読み取ることができます。事務作業の負担軽減や業務の効率化をお考えなら検討してみる価値はあります。
新幹線を使った場合の領収書は必須ではない
新幹線を使った場合の領収書は必須ではありません。会社によって規程で「新幹線と飛行機は領収書をつけて精算する」などの決まりがある場合は会社の規程に従ってください。ただ、税務調査の際に不適切な交通費精算であると指摘された時の保険として、領収書を貼付しておく方が心強いでしょう。
領収書がなければ新幹線の乗車券でもよいです。自動改札を利用すると乗車券は残りませんが、改札横にいる駅員に「会社の精算で乗車券がいるので」と言えば乗車券にスタンプを押して返してくれます。
交通費精算書は必ず承認が必要
交通費精算書は必ず精算者の上長が承認した伝票に対して精算します。これは税務調査の問題ではなく社内の不正防止と牽制の問題です。
上長は部下の行動を把握して監督する責任を負っています。上長が承認していない伝票を経理担当者の判断で精算することのないように注意しましょう。多くの会社は権限規程があり、そこで承認権限を明確にしていますので確認してください。
まとめ
今回は、交通費精算書の書き方を説明しましたが、紙やエクセルで作成した交通費精算書を利用して交通費精算を行っていると、非常に手間や時間がかかります。それは申請者、承認者、経理担当にとって大きな負担となります。
交通費精算システムを導入し、SuicaやPASMOなどの交通系ICカードを利用すれば、使った経路を自動で読み取ることができ、業務負担はとても軽くなります。この機会に導入を検討してみてはいかがでしょうか。