当記事では、シューフィッターでの開業について解説していきます。
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シューフィッターとは?
シューフィッターとは、顧客が靴を購入する際、外反母趾や靴擦れを防いで、それぞれの足に正しくあった靴を提案する靴合わせの技術者です。また、購入後のアフターケアはもちろん、既製靴で対応できない足には医師と連携して治療靴業者を紹介します、店頭で得た情報を製靴業者にフィードバックするといった事も大事な業務内容になります。
シューフィッターになる方法とは?
シューフィッターになるためには、まずシューズメーカーや靴店、百貨店など、靴の販売に関わる店舗や企業に就職する必要があります。そこで接客販売を行いながら、シューフィッターとしての実力を磨いていくのが一般的でしょう。また、自分の靴店を開業してシューフィッター兼オーナーとして働いたり、フリーランスのシューフィッターとしてシューズメーカーと契約したりといった方法もあります。
シューフィッターを目指すにあたって定められた学歴はありませんが、大学や専門学校などで体育学やスポーツ学、医学などを学んでおけば、その知識は実務に生かせます。さらに、「シューフィッター」資格の取得もプロのシューフィッターとして活躍するためには有効でしょう。
シューフィッターに求められる資格
シューフィッターとして働くためには、「シューフィッター」資格の取得が有効です。「シューフィッター」資格は、一般社団法人足と靴と健康協議会によって認定されている民間資格で、シューフィッティングの専門家としての知識や技術を測るものです。その主な内容は、足の基礎知識や靴合わせ、足の疾病など。試験はなく、スクーリングと課題提出により、合否が決定されます。この「シューフィッター」資格は、以下の5コースに分けられます。
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・①プライマリーコース(初級)
・②バチェラーコース(上級)
・③マスターコース(修士)
・④幼児子ども専門コース
・⑤シニア専門コース
プライマリーからマスターへ級を進めるのが一般的ですが、目指すビジョンによっては、子どもやシニアに特化したコースを選択するのも良いでしょう。
詳細は、一般社団法人足と靴と健康協議会HPよりご確認ください。
シューフィッターに関連する資格
シューフィッターは、靴を扱う職業です。靴はファッションアイテムのひとつであるため、接客を行う時には、コーディネートを考えた提案が求められます。そして、そんな時に役立つのが、色彩系資格の知識です。「色彩検定」や「カラーコーディネーター検定」、「ファッション色彩検定」など、色彩に関する資格は、靴の提案やコーディネートアドバイスに生かせるでしょう。
また、民間では、「スポーツシューフィッター」や「医療フットケア技術者(ペディキュリスト)」など、認定講座も数多く開かれており、これらもシューフィッターに関連する内容になっています。
開業の必要手続き
個人事業主として行う場合、一般的な手続きとして、個人事業の場合、個人事業の開廃業等届出書、所得税の棚卸資産の評価方法・減価償却資産償却方法の届出書、青色申告承認申請書等を納税地の所轄税務署へ提出します。また、個人事業開始申告書は事業所所在地の都道府県税事務所へ。詳しくは、最寄りの管轄行政に問い合わせが必要です。
法人として会社を設立する場合、定款作成、会社登記をし、法人設立届出書、青色申告の承認申請書、給与支払事務所等の開設届出書、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書、法人設立届出書(地方税)などを提出します。
まとめ
日本では、シューフィッターという職業はあまり浸透していません。靴に詳しくない限り、シューフィッターという職業自体を知らない人も少なくはないでしょう。しかし、シューフィッターは、身近な靴店や靴売り場で、今現在広く活躍しています。また、近年では健康志向の上昇から靴の履き心地にこだわる人が増えています。しかし、その一方で、一般な人が知識なしに適切な靴選びを行うのは困難です。さらに、人々が将来的に靴を履かなくなるということも考えづらいため、今後もシューフィッターは靴選びのプロとして活躍を続けるでしょう。
ただし、販売という業務については、機械化により今後需要が減ることが予想されます。そのため、シューフィッターのようなプラスアルファの能力や資格は、将来性の向上に役立つと予想されます。