塾の開業に必要な資格・届出や必要資金について解説

投稿:
更新:


少子化の中で、親が子供に投資する金額が増加傾向にあると言われています。生徒の絶対数は減少傾向にあるとはいえ、こうしたビジネスチャンスから塾を開業しようと考えている人も多いのではないでしょうか。

今回は、塾での開業について解説していきます。

※この記事を書いているVector Venture Supportを運営している株式会社ベクターホールディングスが発行している「起業のミカタ(小冊子)」では、更に詳しい情報を解説しています。無料でお送りしていますので、是非取り寄せをしてみて下さい。

塾の形態

一言で「塾」といっても様々な形態があります。ある程度の集団に教える「集団塾」、マンツーマンの「個別指導」が主な形態です。その地域にある競合の学習塾のサービスも鑑みた上で、どの形態で授業を実施するかを決定しましょう。

集団指導塾

同じ学年や同じレベルの生徒を集めて、同じ教室内で授業を行う塾です。講師1人に対して多くの生徒を一度に教えることができるので、人件費を抑えながらまとまった収入を確保することができます。

個別指導塾

完全1対1、または講師1人に対して生徒2~3人といった少人数制で指導を行う塾です。少子化によって子ども1人にかける教育費が増えてきているなかで、一人ひとりに適した指導ができる個別指導塾の需要が伸びてきています。

集団指導に比べて1人あたりの単価も高く、効率的に売上を上げられることが特徴です。近年では、パソコンやタブレットを使って学ぶデジタル教材を活用して指導を行う個別指導塾も増えています。

塾の種類

塾の種類として、進学塾(予備校)、補習塾、総合塾、専門塾の4つにわけることができます。

進学塾「授業内容は理解した前提で内容もレベルが高いことが多い」

進学塾とは、中学受験の対策を主に行っている塾です。中学受験合格を目的にしており、入試から逆算してカリキュラムが組まれているため、授業内容もレベルが高いです。学校よりも進んだ内容を先取りして、基礎を早めに習得させるので、進学塾の授業は学校の授業を理解していることを前提に、進行していきます。また、小学校の授業では扱わない、受験対策用の応用問題に取り組んだりすることもあります。

補習塾「苦手や基礎を中心とした授業のサポートが主な目的」

学校の授業のサポートが主な目的の塾です。基本的に学校のテキストの内容に沿って授業が進行していきます。学校の授業がスムーズに受けられるように、苦手な問題を解消したり、先取りして基礎を押さえたりします。勉強嫌いなお子さまに対して、学習意欲を上げるために授業内容を工夫している塾も多いです。

総合塾「進学塾の要素と補習塾の要素を兼ね備えた塾で、通っている生徒の学力に合わせた指導をしている」

集団塾で進学クラスと補習クラスをもっている場合や、個別指導で受験と学校の予復習を両方指導できる塾を総合塾といいます。学校のテスト対策や内申点フォローから進路相談まで総合的なフォローを行います。

専門塾「特定の科目に特化した指導を行う塾」

国語専門、数学専門、英語専門のように特定の科目に特化した指導を行う塾です。塾長を中心とした小規模で運営されていることが多く、指導形態も小クラスもしくは個別指導です。授業料は高めに設定されていることが多いです。

【無料】起業相談会を実施しています。起業相談会申し込みはこちらから。

塾の開業に必要な準備


塾の開業に必要な主な準備についてご紹介します。

店舗

塾の開業にまず必要なのは店舗です。新規で物件を取得する方法と、自宅または所有している物件を利用する方法があります。新規の場合は物件取得費や内装工事費、設備費などが必要になりますが、自宅または所有物件を利用する場合は店舗にかかる費用を抑えることが可能です。

個人指導または集団指導のどちらかを選ぶによって必要な広さが変わります。指導を行うスペースをはじめ、自習や講師用のスペースなども考えながら準備を進めていきましょう。

備品・広告宣伝

備品・広告宣伝については、以下が必要になります。
 

◆備品代
    ・勉強机
    ・防音マット
    ・パイプ椅子
    ・座布団
    ・引き出し
    ・本棚(大)
    ・本棚中(中)
    ・本棚(小)
    ・教材費
    ・教室に常備する教材
    ・ホワイトボード
    ・照明スタンド
    ・空気清浄機
    ・レーザープリンター
    ・壁掛け時計
    ・紙類(印刷紙、封筒、シール、名刺など)
    ・その他(延長コードやファイル等々)
     

    ◆広告宣伝
      ・ホームページ作成依頼
      ・看板制作
      ・チラシ・パンフレット

      採用・教育

      基本的にオーナー1人で経営しない限りは、講師の採用や教育が発生します。特に個別指導の場合には、集団指導より多くの講師の確保が必要です。

      人数の確保に気を取られてしまいがちですが、人件費を抑えようとアルバイト講師を大量に採用することは避けましょう。指導の質が落ちてしまったり、必要以上の採用コストがかかってしまったりと、経営に悪影響を与えてしまう危険性があるからです。

      資格・免許・手続き

      塾の開業に特定の資格は必要ありません。ただし、ご自身で塾を開く前に大手の塾で講師経験を積んだり、教員免許を取得して教育実習を経験している方が多いようです。

      個人事業主として行う場合、一般的な手続きとして、個人事業の場合、個人事業の開廃業等届出書、所得税の棚卸資産の評価方法・減価償却資産償却方法の届出書、青色申告承認申請書等を納税地の所轄税務署へ提出します。また、個人事業開始申告書は事業所所在地の都道府県税事務所へ。詳しくは、最寄りの管轄行政に問い合わせが必要です。

      法人として会社を設立する場合、定款作成、会社登記をし、法人設立届出書、青色申告の承認申請書、給与支払事務所等の開設届出書、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書、法人設立届出書(地方税)などを提出します。

      塾の開業に必要な費用は?

      物件を借りて教室を持つこともできますが、自宅を塾にすることも可能です。一軒家の1階を使ったり、なかには実家が持っている倉庫をリノベートして教室として使っている方もいらっしゃいます。

      教室にするか、自宅を塾にするかはご自身の塾の形態にもよるでしょう。集団塾の場合は人数が多いため、教室を借りる必要があります。その場合、最低でも300万円程度の資金を想定しましょう。また、椅子や机、ホワイトボード、PCやコピー機などのオフィス用品の資金には100万円程度が必要です。少人数のグループ指導や個別指導の場合は、自宅の一室を教室として活用することもできます。

      【無料】資金調達相談会を実施しています。資金調達相談会申し込みはこちらから。

      開業資金をどこから調達すればいいのか?

      開業するにあたり、自己資金、いわゆる貯金だけで開業できればいいですが、なかなか日々の生活費なども考えると難しい所です。では自己資金以外でどこから調達すればいいのでしょうか?

      日本政策金融公庫

      日本政策金融公庫とは、2008年10月1日に、国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、国際協力銀行の4つの金融機関が統合して発足した100%政府出資の政策金融機関です。全国に支店網があり、固定金利での融資や、長期の返済が可能など、民間の金融機関より有利な融資制度が多く、設立間もない法人やこれから事業を始めようとする人であっても、融資を受けやすいのが特徴です。

      一般的な中小企業に関係する事業は、国民生活事業になり、国民生活事業は事業資金の融資がメイン業務で、融資先数は88万先にのぼり、1先あたりの平均融資残高は698万円と小口融資が主体です。融資先の約9割が従業者9人以下であり、約半数が個人企業です。サラリーマンには馴染みではないですが、理由として、銀行のように口座はなく、貸付のみだからになります。

      創業者向け融資制度である「新創業融資制度」や認定支援機関の助言があれば無担保・無保証、金利が安価になる「中小企業経営力強化資金」という融資制度がお勧めです。

      信用保証付の融資

      「信用保証協会」という公的機関に保証人になってもらい、民間の金融機関から融資を受ける制度です。貸倒のリスクを信用保証協会が背負うので、実績のない創業者が民間金融機関から融資を受けることが可能となります。万が一返済が不可能になった場合は、信用保証協会が代わりに金融機関に返済し、その後債務者は、信用保証協会に借入金を返済することになります。信用保証協会は全国各地にあり、地域ごとに創業者向けの融資制度を設けています。また独自の融資制度を設けている自治体も多くあります。

      手続きの手順としては、信用保証協会に保証の承諾を受け、金融機関から実際の融資を受けるという流れになります。また各自治体の制度を利用する場合は、自治体の窓口を経由することになります。

      親族、友人・知人からの借入

      親族・知人から借入をする際には、その人の好意でお金を借りることになります。先々トラブルにならないようにしっかりとした取り決めをおこなっておくことが重要です。いくら近い間柄とは言え、お金を貸す側の心理としては複雑なものです。また、後々トラブルになりやすい資金調達法でもあるため、甘えてしまわないよう入念な説明と借用書などを交わすなど、お互いが納得のいく取り決めをしっかりとしておきましょう。

      その他注意点として、金額によっては贈与税を納めなくてはならないので、実施する場合は、贈与とみなされないよう書面(金銭消費貸借契約書)を作成したほうが良いでしょう。また、利息など契約内容も明確にし、返済は銀行口座を通じたり、領収書をもらうなどして、証拠を残したほうが良いでしょう。

      塾の開業を宣伝について

      塾開業の準備が整ったら、宣伝を行いましょう。まず宣伝しないことには生徒は集まりません。

      チラシ・ポスティング

      まずは地域の人に宣伝する為に、チラシの配布やポスティングで集客をしましょう。

      ホームページ

      ご自身の塾の特徴や料金、場所が記載されたホームページを作成しましょう。その際に、教育や受験、資格取得に関するブログ記事も合わせて発信すると、「こんなことが教えられます」というアピール(営業)にもなります。

      SNSで発信

      ホームページを作成したらFacebookやTwitterなどのSNSで発信をしましょう。ただページを作っただけでは見てもらうことはできないためです。

      紹介制度

      生徒が集まってきたら、紹介制度を作りましょう。紹介してもらったら授業料割引、子供たちには何かしらのプレゼントをする、などお礼を用意することが大切です。

      塾開業の成功のポイントとは?

      集客が見込める立地での開業

      塾の経営を成功させるためには、集客が見込める立地での開業が重要なポイントです。子どもたちが通うことを考えると、小中高校生が近くに住んでおり、徒歩でも通えるような立地が望ましいです。公共交通機関が充実している都心の場合は駅や停留所の近く、地方の場合は保護者による車での送迎が想定されるので駐車場も確保できる立地など、開業エリアに応じた立地で開業することが大事です。

      また、周辺に競合店がいないかどうかも生徒や講師募集にも大きく影響しますので、しっかり確認しておきましょう。

      綿密なマーケティング戦略を立てる

      綿密なマーケティング戦略を立てることも、塾の経営を成功させるために欠かせません。顧客である子どもの数がこのまま減り続けると、必然と競争は激化していきます。そのため、何の戦略もないまま始めても経営を軌道に乗せることは難しいです。何も知識がない状態で綿密なマーケティング戦略を立てることも難易度が高いでしょう。

      保護者からの信頼を得る

      保護者からの信頼を得ることも、塾の経営を成功させるために重要なポイントです。指導を行う相手は生徒ですが、保護者と良好な関係が築けなければ辞めてしまう可能性もあります。

      また、信頼関係を築くことで口コミによって塾の評価が上がったり、ほかの生徒を紹介してもえたりと、経営の安定にもつながります。

      まとめ

      塾開業は、資格もいらないですし、資金も他の業種に比べると少額でスタートできます。

      塾を運営していく上で大事なのは、高単価で売上を最大化、さらにコストを下げて利益を最大化し、人数を絞ることで質の高い指導を目指し、遠くからでも通ってもらえるような高い価値のある塾を創る事です。そうすることで、生徒・保護者の満足度も上がり、あなた自身も充実した日々を送ることができるようになっていきます。せっかく塾を始めるわけですから、開業して良かったと思えるようになっていただきたいと思います。

      より詳しい情報や起業・開業に役立つ情報は「起業のミカタ(小冊子)」を無料で贈呈していますので、合わせてお読みください。

相談会

相談会

今まで1,000人以上の相談会をしてきたアドバイザーが、豊富なデータ・最新情報とノウハウ、専門家の知見を元に、無料かつ約30分~1時間ほどで「起業・開業ノウハウ」をアドバイスします。