これから融資を検討している方の中には、住宅ローンを既に組んでいる方も少なからずいるかと思います。創業融資を受ける方は「住宅ローンの有無は融資の審査に影響を与えるのか」という疑問を持つかもしれません。
そこで今回は、創業融資でも最も利用されている「日本政策金融公庫」の融資審査における住宅ローンの影響について解説していきます。
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目次
日本政策金融公庫は中小企業や小規模事業者・個人事業主の味方
日本の株式会社はそのほとんどが中小企業であり、中小企業は事業を長く運営していくことが一般的には難しいといえます。そのため、起業や一般的な貸付、セーフティネットという機能としての貸付業務を広く日本政策金融公庫が行っています。開業資金の貸付は多くの起業家に利用されており、女性や若者・シニアなどさまざまな区分で起業を応援するものがあります。
開業後も経営多角化や新事業分野開拓のための貸付を優遇しているなど、経営をつづけていく上で必要不可欠となる資金需要に対応しており、事業者にとって頼もしい存在になるのが日本政策金融公庫なのです。
基本的に日本政策金融公庫はCICを見て返済能力を判断する
日本政策金融公庫を含め多くの金融機関は、融資を行う前には対象者に返済能力があるかどうかを見極めます。
その中の1つの要因として「CIC(指定信用情報機関)」というものがあります。これはローンや消費者金融、クレジットカードの利用状況などあらゆる借入や返済の状況を管理する機関です。日本政策金融公庫および他の金融機関はこの情報にアクセスする権利を持っており、過去のデータベースを基に返済能力があるかどうかを判断します。このCIC情報は個人に紐付いて管理されているため、仮に別の法人名義で融資を受けたとしても、同様の内容で判断されます。
消費者金融やカードローンなどは融資に影響を及ぼす
消費者金融やカードローン、ビジネスローンなどの借入は融資に大きな影響を及ぼします。自己資金は手元の資金から借入額を引いた額とみなされるため、あまりにも借入額が多いと融資が下りない可能性が高くなります。また、残債が少なくても返済の滞りが多すぎる場合にも同様です。借入額が多すぎる場合には債務整理を行うのも1つですが、債務整理を行った上で完済してから5年が経たないと融資が下りないので注意が必要です。
【結論】住宅ローンや自動車ローンは例外
基本的に住宅ローンや自動車ローンは例外になります。ローンを組んだこと自体が審査に悪影響を及ぼす可能性はかなり低いです。よくあるパターンとして、起業したら住宅ローンを組めないので、会社員の時代にローンを組んで起業するケースがありますが、ローンを組んだ直後でも融資審査に影響はそれほどありません。
但し、住宅ローンや自動車ローンの返済が滞ってしまっている場合にはマイナス評価になる可能性があります。
まとめ
今回は、創業融資でも最も利用されている「日本政策金融公庫」の融資審査における住宅ローンの影響について解説しました。
返済に滞りがある場合などは例外ですが住宅ローン自体は融資に影響を及ぼしません。一方で、それ以外のローンや消費者金融、クレジットカードの利用状況などは審査に影響を与えますので、安易にノンバンクに手をつけず、早い段階で日本政策金融公庫の活用を検討しましょう。