当記事では、Web制作会社での開業について解説していきます。
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目次
Web制作会社としてのスキルについて
Web制作会社として起業するに際し、許可届や資格などの取得は必要ありません。
極論、制作スキルがなくても、案件(発注者からの制作依頼)さえ取ってくれば、協力会社や業務委託先に丸投げして、成果報酬フィーを貰うというやり方もあります。ただその場合でも、ディレクション(先方企業との打合せ・企画立案・納品までのやり取り)を行う必要がありますので、知識が全くない状態では、難しいです。一人で全ての工程を行うのであれば、以下のようなスキルが必要になってきます。
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・Photoshop等を使ったデザインスキル
・HTML・CSSでのコーディングスキル
・CMS(Wordpress)を導入するならそれらの知識
・サーバー・ドメイン周りの知識
それ以外にも、何らかの機能を開発するのであれば、サーバーサイド言語(PHPやRuby)の知識、フロントエンド言語(Javascript等)の知識、データベースの知識が必要になったり、名刺やパンフレット、ロゴ制作などのDTP(印刷物)であれば、Illustratorの知識が必要になります。また、集客を行いたい企業であれば、SEO対策の知識やリスティング広告の知識も必要になります。
Web制作会社といっても、発注者(お客様)から求められる要件によって、必要なスキルや知識が大きく異なります。
Web制作会社の開業に必要な資格や届出、手続きについて
Web制作会社の開業には、特別な資格や届出は必要ありません。Web制作に関する知識や著作権などの関連する法律についての知識は持っていた方が良いでしょう。Webサイトは、技術的な著作物として認められています。複製権や私的使用に関わる問題など、また引用などの制約事項にも注意しなければなりません。
手続きについて、個人事業主として開業する場合、一般的な手続きとして、個人事業の場合、個人事業の開廃業等届出書、所得税の棚卸資産の評価方法・減価償却資産償却方法の届出書、青色申告承認申請書等を納税地の所轄税務署へ提出します。また、個人事業開始申告書は事業所所在地の都道府県税事務所へ。詳しくは、最寄りの管轄行政に問い合わせが必要です。
法人として会社を設立する場合、定款作成、会社登記をし、法人設立届出書、青色申告の承認申請書、給与支払事務所等の開設届出書、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書、法人設立届出書(地方税)などを提出します。
Web制作会社の入金フロー
多くのWeb制作会社では、「納品後に全額一括支払い」「着手金として半金を前払い」に分かれます。
Web制作の納品スケジュールというのは、「いつまで経っても原稿を書いてくれない」「デザインの修正回数が多過ぎる」といった問題が発生しがちで、なかなかスケジュール通りに進みません。そうなると「納品後の全額一括支払い」はキャッシュフロー的に厳しいケースもあるでしょう。納品後の翌月末の支払いとなると、50万円程度の案件でも契約してから支払いまで4~6ヶ月かかります。そのため「着手金として半金を前払い」にする企業が多く存在します。総額の50%の場合が多い印象ですが、20%にする企業や、3回に分けたりする企業もいます。
「全額前払い」が経営的にはベストではありますが、実績が少ない起業したばかりのフェーズでは、恐らくかなり難しいかと思います。
契約書に関して
請負契約書または業務委託契約書を発注者と締結しておくことにより、自分の会社を守ることができます。予算が比較的少額の場合は、契約書を締結せずに、発注書(注文書)ベースでやり取りする企業も多いです。
口頭ベースで、紙(契約書や発注書)に残さずにやり取りしてしまうと、万が一、問題が発生した場合に、かなり面倒なことになります。契約書の締結までの流れは、製本(袋とじ)を行うのが一般的で、割印や契印を押し、2部郵送して、先方にも押印してもらって1部を返送する、と面倒なやり取りが発生しますが、最近ではクラウドサインのような電子契約を活用するケースも増えてきているので、そういったツールを使えば事務業務を簡略化できます。
Web制作会社の開業に必要な資金
Web制作会社は初期費用が比較的抑えられる職種と言えます。極端に言えば、PCと通信設備さえあれば開業することが出来ます。自宅の一部を事務所にするなど物件取得をせずに開業することも出来ます。
但し、上記でも説明した通り、多くのWeb制作会社では、「納品後に全額一括支払い」「着手金として半金を前払い」に分かれます。協力会社や業務委託先に丸投げする場合、相手の集金フロー次第でこちらの持ち出しになる可能性がありますので、200万~300万程度は開業資金として準備をしておきましょう。
Web制作会社の営業/集客手法について
Web制作会社は日本国内に多く存在しますし、自社のホームページを作ってもすぐには集客できません。従来の電話営業も色々な所から営業が来ているかと思いますので、難しいのが現状です。
下請け・パートナーとして案件を獲得する
システム開発の業界では、下請けに業務を委託してプロジェクトを進行するケースが多々ありますが、これはWeb制作会社の業界でも同様です。
下請け・パートナーとして、案件を獲得するために、近隣のホームページ制作会社のホームページの問い合わせフォームより、「協業してくれないか」「人手不足であれば安く作るので外注してくれないか」と相談をする方法があります。下請け先が受け取る金額は、少なくなりがちですが、発注者(クライアント)と直接やり取りをしなくて良いというメリットがあります。
補助金を使って集客をする
ホームページ制作を行うと貰える補助金の例として、「小規模事業者持続化補助金」があります。今はコロナで上限額が増えていますが、通常は確か上限50万円だったので、100万円のホームページ制作であれば、50万円が発注者(クライアント)にリターンされます。
ホームページの要件によっては「IT導入補助金」が適用される可能性もあります。先に事業者として申請しておく必要がありますが、ホームページにシステムが絡む内容(予約システムや会員管理システム等)であれば、「IT導入補助金」の申請ができる場合があります。ちなみに市区町村によっては、訪日外国人対策(ホームページを外国語や多言語対応する)ケースで補助金が貰える場合もあります。
これらの補助金をセットに営業することは良い方法かと思います。
まとめ
今回は、Web制作会社での開業について解説しました。
Web制作会社は知識や経験がある方であれば、開業資金などを考えると開業しやすい業種と言えますが、商品価値に判断が個人の好みになるという点と同業が多いため、競合との差別化が課題となります。事業計画など先々の事までしっかりと考えてスタートしましょう。