玩具(おもちゃ)店での開業について

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当記事では、玩具(おもちゃ)店での開業について解説していきます。

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必要な資格や手続き

玩具店の開業については一般に規制されるべき法規はなく、販売資格も不要で自由開業が原則です。

個人事業主として行う場合、一般的な手続きとして、個人事業の場合、個人事業の開廃業等届出書、所得税の棚卸資産の評価方法・減価償却資産償却方法の届出書、青色申告承認申請書等を納税地の所轄税務署へ提出します。また、個人事業開始申告書は事業所所在地の都道府県税事務所へ。詳しくは、最寄りの管轄行政に問い合わせが必要です。

法人として会社を設立する場合、定款作成、会社登記をし、法人設立届出書、青色申告の承認申請書、給与支払事務所等の開設届出書、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書、法人設立届出書(地方税)などを提出します。

ただし、事故を起こしやすい発火性の高いスプーレーや模型などの接着剤、花火玩具を取り扱うような場合には、その在庫や販売取扱量などによって、所轄消防署への届出が必要となる場合もあります。

開業にあたっての留意点について

玩具には乳幼児や一般の顧客が取り扱っても充分に安全が保証されるべき商品のマーク(STマーク)があり、これに対する基本的な知識が必要になります。可燃性玩具の取扱には充分な注意と管理が要求されているほか、売り手責任の立場から、玩具取扱上で危険性のともなうおそれのある場合には、販売時点において充分なおもちゃ利用上のアドバイスも必要になってきます。さらに一部の電子玩具製品においては、販売元での回収再利用サイクルに乗せられるべき商品や、電池などの産業廃棄物処理に基づく規制対象商品もあるため、これらに対する知識も必要になります。

販売上のアクシデントや商品の不具合などで、消費者に対して店側が損害賠償の責務を負わされるようなケースもあります。そのアクシデント対策として設定された保険もあるので、この様な保険に加入しておくのも顧客サービスの一環といえます。

そして玩具店経営の経験が乏しい経営者が陥るアクシデント要因に在庫過多・デッドストック発生・無理な特売で粗利益率の低下などがある。流行品と季節変動が高い玩具については、早めの見切りによって注文の再発注を控え、次の売れ筋商品に仕入対策を集中させていくことが必要になってきます。

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多様化になっている市場

玩具は多様化し、玩具を利用する年齢層も幅広くなっているため、ターゲットを明確にし、その代わりに奥行き深い商品構成にすることによって、より専門性を明確に打ち出す方が効率的な経営が行なえるといえます。したがって、商品構成を吟味し、売れ筋商品に限定したような方向からの商品リストを策定し、これを基準に開業計画を立てることが望ましいです。

商品の陳列方法は、一般的には入口付近に季節商品や流行商品、重点商品などを配置して通行顧客の興味を引きつけるようにし、店舗奥には高級商品や対面販売が必要な商品を配置し、中央部には一般的な商品を配置するのが常道です。一般商店街や住宅地域の商店街に位置する玩具店においては入口の演出や玩具の配置の仕方によって販売力に大きな格差が出るため、店舗配置設計前に充分な研究対策が必要になります。

現在の主流になっているECに負けないための企画や、最近、知育・教育玩具、目の不自由な子供のための点字カタログや玩具、介護老人用のリハビリ促進的な玩具も新たなマーケットになっており、なかでも、バーチャルペットのような癒し系の玩具は国際的にも注目されていますのでそれらも取り入れるようにしましょう。

商品の仕入れについて

商品の仕入れについて、メーカー直は原則不可で、卸問屋からの仕入れが主流になります。ちなみに「問屋」とはメーカーから商品を仕入れて店舗に商品を卸す会社のことです。また問屋も数が少ないので希望条件にあわなくても他所で仕入ができない事が多く、定期的に品不足になります。

初心者にありがちな(特にネット運営者)「注文をうけたら商品を卸してください。できたら注文者に発送もお願いします。」などと言おうものなら100%門前払いされます。問屋と取引するにはこのハードルをまず乗り越える必要があります。

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開業資金をどこから調達すればいいのか?

ここからは、開業時の主な資金調達先をご紹介します。

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫とは、2008年10月1日に、国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、国際協力銀行の4つの金融機関が統合して発足した100%政府出資の政策金融機関です。全国に支店網があり、固定金利での融資や、長期の返済が可能など、民間の金融機関より有利な融資制度が多く、設立間もない法人やこれから事業を始めようとする人であっても、融資を受けやすいのが特徴です。

一般的な中小企業に関係する事業は、国民生活事業になり、国民生活事業は事業資金の融資がメイン業務で、融資先数は88万先にのぼり、1先あたりの平均融資残高は698万円と小口融資が主体です。融資先の約9割が従業者9人以下であり、約半数が個人企業です。サラリーマンには馴染みではないですが、理由として、銀行のように口座はなく、貸付のみだからになります。

創業者向け融資制度である「新創業融資制度」や認定支援機関の助言があれば無担保・無保証、金利が安価になる「中小企業経営力強化資金」という融資制度がお勧めです。

信用保証付の融資

「信用保証協会」という公的機関に保証人になってもらい、民間の金融機関から融資を受ける制度です。貸倒のリスクを信用保証協会が背負うので、実績のない創業者が民間金融機関から融資を受けることが可能となります。万が一返済が不可能になった場合は、信用保証協会が代わりに金融機関に返済し、その後債務者は、信用保証協会に借入金を返済することになります。信用保証協会は全国各地にあり、地域ごとに創業者向けの融資制度を設けています。また独自の融資制度を設けている自治体も多くあります。

手続きの手順としては、信用保証協会に保証の承諾を受け、金融機関から実際の融資を受けるという流れになります。また各自治体の制度を利用する場合は、自治体の窓口を経由することになります。

親族、友人・知人からの借入

親族・知人から借入をする際には、その人の好意でお金を借りることになります。先々トラブルにならないようにしっかりとした取り決めをおこなっておくことが重要です。いくら近い間柄とは言え、お金を貸す側の心理としては複雑なものです。また、後々トラブルになりやすい資金調達法でもあるため、甘えてしまわないよう入念な説明と借用書などを交わすなど、お互いが納得のいく取り決めをしっかりとしておきましょう。

その他注意点として、金額によっては贈与税を納めなくてはならないので、実施する場合は、贈与とみなされないよう書面(金銭消費貸借契約書)を作成したほうが良いでしょう。また、利息など契約内容も明確にし、返済は銀行口座を通じたり、領収書をもらうなどして、証拠を残したほうが良いでしょう。

まとめ

玩具の市場規模の縮小、大型専門店や家電量販店との競合などにより、中小規模の専門店の経営は厳しいものとなっています。また計画的に商品コントロールをしないと、過剰在庫やデッドストックの原因となる。事実過去の業界情報を見ても在庫過剰による黒字倒産は多く存在しています。

おもちゃクリニックなどのサービスを行なったり、定期的に親子参加のイベントを行なうなど、独自の営業活動によって固定客の信頼や支持を得て、粗利益率も高い有利な商売を行なっている店舗も存在していますので、自社の強みを生かした経営を行っていきましょう。

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