近年、大手企業を中心に商品やサービスのCM等のプロモーション戦略としてアニメーションを使用するケースが多くみられるようになりました。今後もこのような声優を起用する企業は増えると考えられ、声優の活躍の場も広がっていくはずです。
そこで今回は、声優業での開業について解説していきます。
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声優業のビジネスの特徴について
基本的な業務は、「アニメーションのアフレコ」や「海外映画やドラマの吹き替え」、「ナレーション」です。それに加え、近年はスマートフォン向けゲームやアプリ制作技術の進歩に伴い、「ゲームやアプリのキャラクターボイス」に需要が高まっています。
さらに、映像作品への出演だけはなく、「テレビや舞台での芸能・音楽活動」や「ラジオのパーソナリティ」等、活躍の幅を広げている声優も多く存在します。
開業タイプ
声優になるためには、声優養成所や専門学校において、経験を積みながら技量を高め、卒業後に声優プロダクションに所属する流れが一般的です。
プロダクション所属にあたっては、プロダクション側に営業やスケジュール管理等のマネジメントの代行を委託し、「個人事業主」として働く声優がほとんどです。一方でプロダクションに所属せずフリーとして活動する声優もいますが、その大半が以前プロダクション等に所属し、知名度を高めた上で独立したというケースです。そのため、声優業を開業するに当たっては、声優プロダクションへの所属を第一の目標にすることが有効と考えられます。
資格について
声優になるための必須資格はありません。必須資格はありませんが、声優としての能力を測定する検定試験があります。
声優検定
日本声優検定協会が実施する検定試験で、声優になるために必要なボイス技能を診断します。入門級(5級)から最上級(1級)までの6段階が設定されており、上級(準1級)と最上級のカテゴリーはプロレベルと認定されます。5~3級は「滑舌」「声の使い分け」「朗読」の3科目、2~1級は「滑舌」「朗読」「ナレーション」「ドラマ」「基礎知識」の5科目で試験が行われます。
声優能力検定
日本声優能力検定協会が実施する検定試験。試験はスマートフォンや携帯電話を利用して実施されるため、24時間いつでも受験できるのが特徴です。5~1級の5段階に区分されており、5・4級は「滑舌」「声の使い分け」「朗読」の3科目、3級は5・4級の内容に「ナレーション」を加えた4科目、そして2・1級は「滑舌」「声の使い分け」「ナレーション」に「朗読・小説」と「朗読・詩」を加えた5科目で試験が行われます。
開業する場合の手続き
基本的に声優として開業する場合は、個人事業主になるケースが多いと思いますが、個人事業主として行う場合、一般的な手続きとして、個人事業の場合、個人事業の開廃業等届出書、所得税の棚卸資産の評価方法・減価償却資産償却方法の届出書、青色申告承認申請書等を納税地の所轄税務署へ提出します。また、個人事業開始申告書は事業所所在地の都道府県税事務所へ。詳しくは、最寄りの管轄行政に問い合わせが必要です。
また声優を束ねて法人として会社を設立する場合、定款作成、会社登記をし、法人設立届出書、青色申告の承認申請書、給与支払事務所等の開設届出書、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書、法人設立届出書(地方税)などを提出します。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は、声優業での開業について解説しました。
声優業の収益化において最も重要なのは、やはり声優としての素質・スキルです。声優業の報酬は実力や経験によって左右されることから、開業当初は安定的な収入を得られないことが想定されます。実績や経験を重ねることに伴い報酬金額もアップすると考えられますが、報酬金額にふさわしい実力を伴っていないと判断されると、仕事が減る可能性もあります。そのため、定期的に様々なアニメーション・ゲーム作品へ出演していくためには、継続的なスキルアップが求められます。そのためボイストレーニングや演劇指導を継続的に受けスキルアップに努める必要があり、相応のランニングコストが必要になるでしょう。こうしたスキルアップを背景として、実績を積んでいくことが、声優業としての足固めには欠かせません。
また、作品への出演回数を増加させるためには、業界のコネクションも非常に重要です。作品の規模は大小様々でありますが、一つ一つの仕事を丁寧にこなしていき、業界関係者からの信頼を積み重ね、継続的に幅広く人脈を広げていくことが重要となってきます。
いずれにしても、声優業はその実力や実績が認められて初めて、ヒット作品への出演や、そこから派生するゲーム、映画、テレビ番組等に出演することに繋がり、活躍の場が大きく広がり、声優としての地位が固まっていくこととなります。