【資金調達の基礎知識】銀行のプロパー融資について解説

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起業して会社が始まると、一番問題になるのが資金面です。起業時によく行う資金調達方法として融資がありますが、代表的なのが公的金融機関である日本政策金融公庫により融資ですが、その他にも銀行による融資も検討する事があります。

銀行の融資には大きく分けると「保証協会付融資」と「プロパー融資」の2種類がありますが、今回は、銀行による「プロパー融資」について解説していきます。

プロパー融資とは?

『銀行が貸し倒れリスクを銀行が負う、信用保証協会の保証をつけない融資方法』

銀行が行う融資は「信用保証協会付」と「プロパー融資」の2種類があり、「保証協会付融資」は信用保証協会が保証人となって融資が実行されるのに対し、「プロパー融資」は保証人を付けないで直接銀行から融資を受けることになります。

信用保証協会とは中小企業・小規模事業者の金融円滑化のために設立された公的機関です。

(参考記事)信用保証付き融資について

プロパー融資と保証協会付融資との違い

上記でも保証協会付融資について記載しておりますが、ここでは詳しく説明していきます。

保証協会付融資は、通称「マル保」と呼ばれるもので、債務者が返済不能になった時には金額の80%を保証協会が銀行に支払います。信用保証協会は、保証協会が保証人となることで企業が銀行から融資を受けやすくするための制度で、主に中小企業や小規模事業者のための制度といえます。したがって、銀行のプロパー融資の審査より信用保証協会の保証審査の方が通りやすくなっています。

プロパー融資の特徴

前述でもお知らせした通り、プロパー融資は貸し倒れリスクは銀行が負うことになります。貸し倒れが発生すれば融資したお金が戻ってこない分、損失を出してしまうことになるため、厳しい審査が必要になってきます。銀行も自社で貸し倒れリスクを負うため、貸し倒れリスクを最小限にするために、当然融資に対する審査は厳しく、代表者以外の保証人を要求してきたり、返済期間も短く、決済が本店になるので、大変ハードルが高いです。

プロパー融資を受けるために必要なこととは?

一般的には、3回以上決算が終了していなければ利用することができません。金融機関によってはですが、定期積金や、定期預金の残高が多い場合には、プロパー融資を受けやすくなる場合もあります。

プロパー融資のメリットデメリット

プロパー融資のメリットは、信用保証協会の保証が付かない分、保証料がないので手数料を取られなくて済みます。そして、会社の規模が大きくなった際に、保証協会付きの無担保融資だと8,000万円、有担保融資だと2億8,000万円の上限がありますが、それ以上の融資を受けることが可能になります。

プロパー融資のデメリットとしては、審査が非常に厳しい事が挙げられます。そして、貸し倒れは銀行の負担に直結しますので、銀行側が経営に口を出してくる可能性があります。

プロパー融資を受けるためにはどうしたらよいのか?

これまでご紹介したように、プロパー融資は審査が厳しいため、プロパー融資を受けるためには、まずは信用保証協会保証付融資で実績を積むなどの対策が必要となります。

保証付融資を受けて実績を積む

プロパー融資を受ける前には、信用保証協会保証付融資を受けて信用力を高めることが大切です。また、プロパー融資を受けるために、信用保証協会保証付融資とプロパー融資を抱き合わせて提案してもらうというのもひとつの手です。

たとえば、信用保証協会保証付融資とプロパー融資を同時もしくは近い時期に実行してもらうのです。銀行がプロパー融資をするということは、銀行もその会社に対して積極的に融資をしようとしている、つまり前向きな評価をしているということなので、保証協会保証付融資額も増えるということも期待できます。

決算書などの財務内容を改善する

銀行の融資審査においては、決算書や事業計画書が大変重視されます。決算書の内容が悪い企業であれば、通常は融資審査に通ることはありません。まずは、何といっても利益が少しでも多くなるようにすることが大切です。利益が増えれば必然的に法人税等の税金は増加することにはなりますが、節税ばかりに目がいっていると資金調達することも難しくなりますし、会社を発展させていくことはできません。

会社を発展させていくためには、法人税等を納税し、決算書の内容を良くして、資金調達能力を高めることが必要不可欠です。利益を増やすためには、売上を増やすか経費を削るしかありませんので、まずは経費を見直すことから始めてみてはいかがでしょうか。

融資に強い税理士に相談する

税理士は税金の専門家ですが、かならずしも資金調達に精通しているわけではありません。
したがって、資金調達を検討する時には、資金調達に精通している税理士に相談して、銀行が気にする問題点は何か、その問題点を改善するためにはどのような対策が必要かなどについてアドバイスを受けることをおすすめします。

さらに、資金調達に精通している税理士であれば、事業計画書を作成する前に審査対象となる項目をピックアップして、その項目が盛り込まれた事業計画書を作成してもらうことができます。

まとめ

プロパー融資を受ける為には基本的に3回以上の決算が終了しなければ利用できませんので、これから事業を始める場合は、銀行から融資を受ける場合には「信用保証付融資」になります。

但し、これから会社を拡大する時期には限度額が高いプロパー融資が必要になってきますので、その為にも良好な財務体質を保っておきましょう。

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