2017年夏の日本上陸以来、驚く早さで成長を遂げ、ショート動画ブームの火付け役となったTikTok。当初は「若者の間で人気の動画アプリ」というイメージが強かったTikTokですが、ユーザー数の拡大に伴って年齢層も広がりを見せています。
今回は、TikToker(ティックトッカー)での開業について解説していきます。
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目次
TikToker(ティックトッカー)とは?ビジネスの特徴
TikToker(ティックトッカー)とは、モバイル端末向けショートムービープラットフォーム「TikTok」を活用して「TikTok LIVE」での「TikTok LIVE Gifting」による視聴者からの寄附を得る個人、グループの総称です。
海外の人気ティックトッカーには企業とのスポンサー契約や広告案件を受ける事例もあり、また、アフィリエイトやオンラインサロン等への誘導により別途収入源を確保するという手段もあります。
初期投資が不要であるなど開業に際し有利な点もありますが、他のプラットフォームと異なり、現状、TikTok単体での収益化の手段が「TikTok LIVE」での「TikTok LIVE Gifting」による収入のみであるため、安定した収入の確保が難しく、趣味としてTikTokを行っている個人が多いです。
動画編集の知識がなくても大丈夫!?
TikTokにはBGMや加工ツール、フィルターなどがあらかじめ用意されています。そのため、動画編集に関する知識やノウハウがなくても、誰でも簡単に動画作成を行えます。その他にも、以下のようにさまざまなツールやサポートが整っており、個性のある動画を作成可能。作成した動画はInstagramやYouTubeなど他のメディアに流用できることもメリットといえます。
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・どの機能もボタン1つで編集・やり直しが可能
・「0.5倍速」や「2倍速」など、動画の速さを変えて撮影できる
・TikTokの運営側から定期的に動画のお題が与えられる
TikToker(ティックトッカー)の開業タイプ
新規参入型
個人として独自の配信チャンネルを開設。独自の切り口のもとショートビデオを配信し、地道にフォロワーの増大を図るタイプです。
副業型
本業とは全く別に副業として、配信チャンネルを開設するタイプです。少ないリスクで開業することが可能です。
兼業型
本業を広告するための手段、本業へ顧客を誘導する手段としてプラットフォームを利用するタイプです。
TikToker(ティックトッカー)での必要な手続き
ティックトッカーとして個人で開業する場合に、特別な許認可の取得は必要ありません。ただし、「TikTok LIVE Gifting」を得るための「TikTok LIVE」は16歳以上かつ、TikTokの定める条件を満たした方のみ利用可能になります、詳細な条件についてはTikTok上で明記されていないものの、一定のフォロワー数の確保と「『広告で有名になりたい』プログラムへの特別インビテーション」に参加する必要があります。
個人事業主として行う場合、一般的な手続きとして、個人事業の場合、個人事業の開廃業等届出書、所得税の棚卸資産の評価方法・減価償却資産償却方法の届出書、青色申告承認申請書等を納税地の所轄税務署へ提出します。また、個人事業開始申告書は事業所所在地の都道府県税事務所へ。詳しくは、最寄りの管轄行政に問い合わせが必要です。
法人として会社を設立する場合、定款作成、会社登記をし、法人設立届出書、青色申告の承認申請書、給与支払事務所等の開設届出書、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書、法人設立届出書(地方税)などを提出します。
TikToker(ティックトッカー)の収益化は大変!?
収益化には視聴者からの寄附を集める必要があるため、TikTokと協賛企業の広告と関連したハッシュタグチャレンジやブランドエフェクトを利用した動画の投稿を行い、プラットフォーム上でお勧めされやすくすることで、フォロワーの確保につなげるなどの工夫が必要になります。また、視聴者からの寄附であるため、ライブ配信の実施も必要不可欠です。
特にライブ配信は視聴者にとってただ見るだけの媒体ではないため、双方向のやり取りを楽しめるようにギフトに対して細かく反応することやコメントへの返答をまめに行うことなど、丁寧な対応で継続的に視聴するファンを獲得することが収益化には必要になってきます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は、TikToker(ティックトッカー)での開業について解説しました。
TikToker(ティックトッカー)は、定期的に「TikTok LIVE」を配信し、投げ銭を得る必要があり、他のプラットフォームと比較して、収益化へのハードルは高いです。したがって、収入自体が発生しない期間が当面続くことになりますが、特別なことをしない限り経費が掛かるわけでもないためリスクは少ないといえます。また、権限が付与されることができれば「TikTok」自体のサービス利用者の多さに対して、「TikTok LIVE」配信者は限られており、収益化も可能になるでしょう。