2022年も半分が過ぎましたが、まだ新型コロナに対する警戒は日本全国で続いています。そうした中で、コロナ禍でも勢いがあり、2022年以降も伸びる業界に注目が集まります。
そこで今回は、2022年以降も伸びる業界や逆に廃れる業界をご紹介していきます。
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目次
2022年以降も伸びる業界やサービス
それでは早速、これから伸びる業界やサービスを理由とともに解説していきます。
サイバーセキュリティ
コロナ禍において、リモートで仕事や授業を受ける人が増え、2インターネットのトラフィックが大幅に増加しています。そしてインターネットに接続する機会が増えたことで、サイバー攻撃も拡大・複雑化しています。
今後は、セキュリティリスクを加味して、自宅から仕事のネットワークにアクセスする際に対策を取ることが求められるでしょう。そのため、サイバーセキュリティに関するソリューションを提供する企業は、今後伸びる可能性が高いです。
デジタルマーケティング
マーケティング活動はビジネスに欠かせませんが、その舞台はここ10年ほどでテレビ、新聞、看板からSNSを中心としたデジタルに移り変わってきています。今後オンラインサービスがさらに増えてくることを考えると、ますます需要が高まっていくことは間違いないでしょう。
事実、国内のデジタルマーケティング市場は毎年数%ずつ伸びており、2025年には6,000億円規模になると見られています。
動画配信サービス
外出自粛やステイホームの流れで自宅で過ごす時間が増えたことで、エンタメ系のサブスクの利用者は堅調でした。その中でも、Netflix・Amazon Prime Video・Hulu・Disney+といった動画配信サービスが人気を集めました。
例えば、Netflixはコロナ禍でユーザーが増えたこと、「イカゲーム」に代表される質の高いオリジナルコンテンツの充実などで、株価は上昇傾向です。2022年以降も、動画配信サービスは人気を集める分野になるでしょう。
ブロックチェーン
技術として新しく、かつ今後大きな成長が期待できるのがブロックチェーン業界です。現状は仮想通貨やNFTなど投機目的で注目されることが多い分野ですが、将来的には金融やインフラ、決済など、さまざまな用途で実用化される可能性があります。
国内ではまだまだ取り組んでいる企業が少なく、法整備も進んでいませんが、これから新たな企業が生まれて市場が広がっていくでしょう。
EC業界
EC業界は、コロナ禍における巣ごもり需要を支える業界です。2022年以降もECの利用者は増え、生活に身近な日用品や食品といったEC化率が低かった分野も伸びるでしょう。
また、EC業界は購入側だけでなく、販売側にも変化を与えています。例えば、Shopifyといったサービスを利用して自社ECサイトを出店するという動きが活発になることも十分に考えられるでしょう。
電子部品や半導体
パソコン・スマートフォン・家電・電気自動車などの機械には電子部品や半導体が使われており、IT・DX化が進む現代では欠かせない存在です。半導体自体のシェアはインテル、サムスンが首位を争っている状況ですが、日本に目を向けてみても半導体業界はこれから伸びていく業界と言えます。
理由は、半導体の関連部品や製造装置において、日本が高いシェアを占めているからです。電子部品・半導体そのものを開発・製造していなくても、関連する事業であれば今後も伸びていく可能性が高いでしょう。
医療・介護
少子高齢化が進んでいる日本では、介護や医療業界は常に需要が大きく、人手も足りていません。これからさらにその傾向は強くなっていくでしょう。2036年には65歳以上の高齢者が、人口の3分の1を占めるようになるという試算もあり、それだけ需要が増えることが予測できます。
特に介護業界は負担の大きさから人手も足りていないため、新たに仕事をはじめても十分キャリアを積める業界です。
医薬品
医療とともに、医薬品業界もこれから成長する可能性があります。特に最近では、生物を利用して作られるバイオ医薬品が注目を集めているのです。
新型コロナはもちろん、まだまだ治療薬が見つかっていない病気は多く、今後も医学が進歩することで新薬が開発され、市場が拡大していくでしょう。パンデミックの影響で健康意識が高まっていることも、短期的な追い風になりそうです。
農業
賛否はは分かれますが、農業も今後伸びていくことが期待できる業界と言われています。「離農や高齢化による担い手不足」や「耕作放棄地の拡大」、さらには「海外からの安価な農産物の輸入」などといったように、日本の農業にはさまざまな問題があります。これらの問題から、「農業は衰退していく」と考える方も多いでしょう。
しかし農業も今後伸びていくことが期待できる理由として「農業はインフラの一部であり生活にかかせない」「日本の農林水産物・食品の輸出額は増えている」「世界の人口は増えているため、高いニーズがある」などの理由があるからです。
さらに今後は、ロボット技術やIoTを駆使したスマート農業が浸透していくといわれています。いずれは、日々の管理から収穫までの作業もパソコン操作だけで完結させる農場もでてくるかもしれません。パソコンでの作業がメインとなることで、労働者の負担も減り、より一層農業界は盛り上がっていくでしょう。
フードデリバリーサービス
日本では古くから中華料理店やそば屋などの「出前」サービスがあり、1980年代にはピザの宅配が始まっていたため文化としては根強いものでしたが、利用者は限定的でした。そこにUber Eatsや出前館が登場したことで注文できる店や商品の幅が広がり、利用者が急速に拡大しました。
とくに、2020年以降はリモートワークが促進されたことで、自宅で過ごす時間を快適にするフードデリバリーサービス業界が大きな発展を遂げています。また、フードデリバリーは育児・介護をしている家庭の負担を軽減することにもつながるため、幅広い人の需要を期待できる業界です。需要拡大の流れは2022年以降も続くとみられます。
2022年以降に廃れる業界
伸びていく業界とは反対に、IT技術の発達とともに今後廃れていくといわれているのはどのような職業なのでしょうか。
小売
消費行動がオンラインに移っていくことで、店舗を中心とした小売業界は苦しい状況に追い込まれています。特に、家電量販店や百貨店など、高単価の業態はすでに全体として縮小傾向です。
今後クイックコマースが普及すると、スーパーやコンビニのような必需品を売る業態でも市場が小さくなっていくかもしれません。
アパレル
アパレルは、外出自粛やリモートワークの定着の影響を受けて、スーツや外出用の衣服を購入する人が減少し、2022年以降も危ない業界として変革が急務です。実際、オンワードホールディングスやワールドといった大手企業もコロナのあおりを受けて赤字に転落したり、店舗の閉店や人員整理を行った企業も多く見られました。
その一方で、2022年もファストファッションを牽引する「ユニクロ」、データ分析による戦略的な経営で堅調な「ワークマン」など、力のある企業も存在します。
テレビ業界
テレビは、YouTubeなどの動画投稿サイトやSNSの発展などで若者のテレビ離れが深刻であり、今後危ない業界として挙げられます。実際、2021年5月20日にNHK放送文化研究所が発表した国民生活時間調査によると、10代、20代の半数がほぼテレビを見ないという結果。
また、「TVer」といいテレビ番組の無料配信サービスもあり、リアルタイムでテレビを視聴する必要性もなくなりつつあります。こういった背景からも、2022年以降もテレビ業界の衰退が見て取れるでしょう。
士業
士業業界とは、弁護士や司法書士、税理士、社会保険労務士などに代表される、いわゆる「士業」と呼ばれる業界。以前は年収も高く安泰なイメージが強かった士業業界も、テクノロジーの発展により今後危ない業界に位置付けられています。実際、IT国家と呼ばれるエストニアでは、生活に関わる手続きがほぼインターネット上で完結するため、「税理士や会計士がいなくなった」ともいわれています。
また、日本は2021年9月にデジタル庁が新設されたことで、ITの導入がより進むでしょう。IT技術がますます発展し、税制度の簡素化が進めば、税理士や会計士ができる仕事の範囲は狭まっていく可能性が高いです。
出版業界
最近ではニュースはネットで確認し、雑誌や本は電子書籍で読むというスタイルの人が大半を占めるようになりました。それとともに新聞社や出版社では紙媒体の売上が低下しており、デジタルコンテンツに軸足を移しはじめています。
今後は、デジタルでも影響力を維持できる企業は生き残り、そうでない企業は縮小していくという流れが予想されます。
金融業界
「金融業界」も衰退の恐れがあります。なかでも「銀行」はどんどん淘汰されていくと予想されています。理由としては、「銀行業務のほとんどはAIやシステムで代替可能」「銀行口座に預金する人が少なくなっていく」などが挙げられます。
また「銀行に貯金する人が少なくなっていく」という流れがあります。日本は年金への不安もあり、「銀行に預けるくらいなら、投資しよう」という方が増えてきています。そうなると銀行口座に預けられるお金は少なくなっていくため、当然銀行の規模は小さくなっていきます。
他にも理由はありますがが、以上の大きな理由に金融業界、おもに銀行は衰退していくと予想されています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は、2022年以降も伸びる業界や逆に廃れる業界をご紹介しました。
ここ数年、コロナ禍や社会情勢の変化によって業界ごとに明暗がはっきりと出るようになりました。これからの時代を勝ち抜くためには、企業・働く人が変化に対する俊敏性と適応性を発揮することが重要な要素と言えます。