ビルメンテナンス業での開業について解説

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ビルメンテナンス業界全体の市場規模は、ここ数年間で概ね微増傾向で推移しているとみられています。背景としては、都市部を中心としたオフィスビルや商業施設、マンションなど大型・高層建築物の増加による需要拡大が考えられます。一方で、清掃業務を中心に人手不足が深刻化しており、特に中小のビルメンテナンス業者の経営環境は厳しさを増しています。

今回は、ビルメンテナンス業での開業について解説していきます。

ビジネスの特徴

ビルメンテナンス業の対象となる施設は、オフィスビルをはじめとして商業施設、学校、病院、ホテル、飲食店、マンションなど幅広く、その業務内容も清掃や衛生管理、設備機器の運転保守、点検整備、保安警備、ビルマネジメントなど多岐にわたっています。

業務別の売上構成比は、一般清掃業務が約6割、次いで設備管理業務が2割弱、警備業務が1割弱となっており、この3業務で約9割を占めています。また、小規模企業では一般清掃業務の占める割合が高く、規模が大きくなるほど設備管理や警備の占める割合が高い傾向にあります。

清掃は、利用者に清潔で快適な環境を提供するため、頻繁に行う必要があります。日々の清掃はビルの老朽化を防ぎ、資産価値向上にも寄与します。また、衛生管理として、空気環境管理や給排水管理などの業務も行う必要があります。設備管理は、空調や電気、給排水、エレベータ等のビル設備の安全運転を24時間365日体制で管理する業務です。扱う設備によって必要な技術や知識は全く異なり、業務を行うにあたって多くの関連資格が必要となります。特に最近はビル設備がハイテク化しており、より専門的な知識やスキルが求められる業務が増えています。

業界の特徴

業界の特徴としては、受注産業で業務は委託契約で行われます。都市型産業として東京と近畿圏に集中している、中小零細企業が多いです。また労働集約型産業で、人件費関連費用と外注費で総費用の80%を超えるのも特徴です。官公庁のウェイトも高いなどが挙げられます。

業務内容

主な業務内容は以下となります。トータルに業務を手掛けるのか、一部業務に特化するのか、どのような部分で自社の強みを発揮するかを見極めることが重要です。

<清掃>

・日常清掃:トイレ、エントランス、通路など、人が日常使う場所を毎日1回以上清掃する。
・定期清掃:床洗浄、カーペットクリーニングなど日常清掃では落としきれない汚れを、月に数回専用の洗剤や器具を使って掃除するほか、窓ガラス拭き、外壁、屋上など年に数回の頻度で掃除する。

<衛生管理>

・空気環境管理:空気環境測定業務や空調設備の点検、清掃を行う。
・給排水管理 :貯水槽、給水管、浄化槽、排水管などの清掃、定期点検、水質検査を行う。
・害虫駆除  :ネズミや害虫の駆除、防除を行う。
・廃棄物処理 :ゴミの収集、処理を行う。

<設備管理>

ビル内の以下の設備について運転保守、点検、整備を行う。
・電気・通信設備:受変電設備、屋内配線設備、照明設備、電話・通信設備など。
・空気調和設備 :各種エアコン、冷却塔、ボイラーなど。
・給排水設備  :貯水槽、給水管、浄化槽、排水管など。
・昇降機設備  :エレベータ、エスカレータ。
・消防設備   :警報装置、避難設備、消火器など。

<その他管理業務>

・管理サービス業務  :ビルの受付・案内、電話交換、メールサービスなど。
・ビルマネジメント業務:ビルのオーナーに代わり、建物の管理や運営を行う。テナントの誘致、賃貸借業務代行、経理業務全般、ビルメンテナンス業者の統括などを主な業務とする。
・警備        :対象施設に警備員が常駐・巡回する人的警備と、施設外から通信回線により24時間365日監視を行う機械警備がある。犯罪や事故を未然に防ぎ、建物や利用者の安全を確保する。

必要な手続き

衛生管理や設備管理については対象となる設備ごとに法で定められた資格があり、これらの業務を行う場合には有資格者が従業員にいることが必須となります。

そのほか、建築物衛生法に定められたビルメンテナンス業務を行う事業者については、都道府県知事登録制度があります。登録は義務ではないですが、官公庁の入札への参加資格要件となる場合があるため、登録をした方が受注拡大につながる可能性があります。

設備管理業務に従事する場合に、必要とされる主な資格は以下のとおりです。

・電気・通信設備
・電気工事士、電気主任技術者
・空気調和設備
・ボイラー技士、危険物取扱責任者、冷凍機械責任者
・給排水設備
・浄化槽管理士
・消防用設備
・消防設備士

必要なスキル

設備管理等に比べて清掃は軽く見られがちですが、実際には清掃する場所、建材、汚れによって清掃方法、洗剤、器具、機械を使い分け、限られた時間内に清掃を終わらせるなど、専門的な知識・技術・経験が必要とされます。ビルクリーニングの国家検定であるビルクリーニング技能検定は、自身のビルクリーニングの技能を証明するものであり、顧客に対するアピールポイントになります。特に、最も高い技能レベルである1級ビルクリーニング技能士は、都道府県知事登録を受けるために必要な清掃作業監督者には必要な資格でもあります。

各種資格の取得により、スキルや知識のレベルアップが図られるとともに扱うことができる業務が増え、同業他社との差別化や事業拡大につながることが期待できます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は、ビルメンテナンス業での開業について解説しました。

ビルメンテナンス業は、業界大手となるディベロッパー系列会社をまとめても合計シェアは低く、地元の有力不動産オーナーとの人脈、ネットワークを背景とした独立系企業が、なお存続しやすい業種ではあるといえます。

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