会社で車を使用する場合、購入時に経営者の個人名義ではなく法人名義で購入することが可能です。法人名義で車を購入することで経費計上ができ、節税にもつながります。しかし、購入する際には何点か注意しなければいけないことがあります。
そこで今回は、法人名義で車を購入する際の注意点について解説していきますので、これから会社で使用する車の購入を検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
法人名義で車を購入する際の注意点とは?
法人名義で車を購入する場合、以下のような注意点があります。
登記内容の確認
法人名義で車を購入する場合、登記内容には法人名義であることが記載されます。そのため、購入前に必ず登記簿謄本を確認し、法人名義であることを確認してください。
税金の取り扱い
法人名義で車を購入した場合、自動車税や自動車重量税などの税金の取り扱いについても注意が必要です。法人が所有する車両には、法人の責任で支払う必要があります。車両の管理責任は法人にありますので、適切な管理が必要です。
経費処理
法人名義で車を購入した場合、経費として処理することができます。ただし、経費として処理するためには、必要な手続きや条件があります。経費処理については、税理士や会計士に相談することをおすすめします。
保険の取り扱い
法人名義で車を購入した場合、車両保険も法人が加入する必要があります。保険契約の際には、法人名義で加入することを明確にしておく必要があります。また、運転者によって保険料が変わる場合があるため、適切な運転者情報を保険会社に提供する必要があります。
車両管理
法人名義で車を購入した場合、車両管理についても注意が必要です。法人が運転手となる場合は、法人自体が運転者に対する運転禁止期間の管理や、車両の点検整備などを行う必要があります。また、運転手を雇用する場合には、運転手に対するルールや契約内容についても明確にする必要があります。
車を法人名義で購入するメリット・デメリット
車を法人名義で購入するメリットとデメリットは以下の通りです。
車を法人名義で購入するメリット
経費として計上できる
法人が所有する車両は、経費として計上できるため、会社の税金負担を軽減することができます。ただし、経費として認められる条件がありますので、事前に確認する必要があります。
車両管理がしやすい
法人名義で車を購入すると、車両の管理責任が法人にあるため、管理がしやすくなります。運転者の運転禁止期間の管理や点検整備の実施など、法人が責任を持って車両を管理することができます。
個人の信用情報に影響しない
法人名義で車を購入する場合、個人の信用情報に影響を与えません。個人名義で車を購入する場合は、支払いの滞納や延滞などがあると、個人の信用情報に悪影響を与えることがあります。
車を法人名義で購入するデメリット
手続きが煩雑である
法人名義で車を購入する場合、手続きが煩雑になることがあります。購入前に登記簿謄本を取得したり、車両の管理責任を明確にするためのルール作りが必要です。
費用がかかる
法人名義で車を購入する場合、自動車税や自動車重量税などの税金負担が発生します。また、車両保険も法人が加入する必要があります。これらの費用は、個人名義で車を購入する場合よりも高くなることがあります。
資金繰りに影響を与える可能性がある
法人名義で車を購入する場合、大きな資金が必要になるため、資金繰りに影響を与える可能性があります。また、車両を購入することで、他の事業に必要な資金が不足することがあります。
車を法人名義で購入する際の4つのステップ
車を法人名義で購入する際の流れは、大きく以下の4つのステップに分かれます。
今回ご紹介する内容は一般的な流れです。車種や契約内容によって、手続きが異なる場合がありますので、詳細については販売店に相談することをおすすめします。
①購入にあたっての準備
まず、購入にあたっての準備を行います。法人名義での車購入に必要な書類を整理し、予算を立てます。また、車の種類や規模、用途など、必要な条件を明確にします。
②車の検討・選定
次に、車の検討・選定を行います。自社の用途に合わせて、必要な車種やグレード、オプションなどを決定し、複数の販売店から見積もりを取ります。その後、価格や条件を比較し、最適な販売店を選択します。
③契約の締結
販売店が決まったら、契約の締結を行います。契約書には、車両の仕様や価格、支払い方法、引き渡し時期などが記載されます。必要に応じて、ローンやリースなどの契約も同時に行います。
④車の引き渡し・登録
契約が完了したら、車の引き渡し・登録を行います。引き渡し前に、車両の点検や整備が必要な場合は、販売店で行うことができます。引き渡し後は、車両の登録や自動車税の支払いを行います。
社用車を私的に使うことは可能なのか?
社用車を私的に使用することは、一般的には禁止されています。社用車は、企業の業務や業務に関連する移動に利用するために用意されたものであり、社員の私的な用途に利用することは、企業の資産を私的な目的に流用することになるため、不正行為にあたります。
社用車を私的に使用する場合、法律的には、「私用有償運転」として扱われます。つまり、自分自身が運転することで、企業が車両を私的な目的に使用することを認めたとみなされ、自動車の所有者として企業が運転者に対して一定の報酬を支払う必要があります。
したがって、社用車を私的に使用する場合は、企業のルールや規定に従い、事前に承認を得る必要があります。一般的には、私用有償運転に対しては、一定の報酬や利用料が課せられる場合があります。企業が社用車を私的に利用することを許可する場合でも、ルールを守り、適切に使用することが求められます。
まとめ
自社の状況に合わせて、法人名義で車を購入するかどうかを慎重に検討することが重要です。特に、購入に必要な資金が少ない場合や、経営状況が不安定な場合は、個人名義での車購入を検討することもあります。
また、法人名義で車を購入する場合、購入後の車両管理や経費計上に関するルールを明確にすることが重要です。運転者の取り決めや点検整備の実施、車両管理責任の明確化など、しっかりとしたルール作りが必要です。
加えて、法人名義で車を購入する場合は、税金や保険料などの費用負担が増えるため、コストの面でも慎重に検討する必要があります。また、車を購入することで、他の事業に必要な資金が不足することがないよう、資金繰りにも配慮する必要があります。
以上の点に注意しながら、自社の状況に合わせて、法人名義での車購入を検討することが重要になります。