飲食店は他業種と比べて廃業率が高い業種ですが、厳しい状況を改善させるためにできる取り組みも多々あります。
そこで今回は、飲食店が赤字になる原因と対策について解説していきますので、飲食店経営者はもちろん、これから飲食店を開業しようとしている方も参考にしてみて下さい。
目次
飲食店が赤字になる原因と対策
飲食店が赤字になる原因は多岐にわたりますが、以下に一般的な原因と対策について12個ご紹介します。
1.高コスト
原因
原材料費や人件費、賃料などの高い経費が収益を上回る場合、赤字になることがあります。
対策
原材料の仕入れルートを見直したり、効率的な人員配置を行うことでコストを削減することが重要です。また、節約策やコスト削減のアイデアをスタッフと共有することも有効です。
2.顧客の減少
原因
集客力や競合店舗の存在によって、顧客数が減少してしまうことがあります。
対策
集客戦略を見直し、広告や宣伝を活用して新たな顧客を獲得する努力が必要です。また、リピーターを増やすためにサービスやメニューの改善、顧客満足度の向上を図ることも重要です。
3.メニューの不適切
原因
メニューの価格設定やバリエーション、需要の予測に誤りがある場合、売り上げが低下してしまいます。
対策
競合分析や需要予測を行い、メニューの改善や多様化を行うことで需要に合わせた提案ができます。また、コストパフォーマンスの高いメニューを提供することも重要です。
4.経営戦略の欠如
原因
適切な経営戦略が欠けている場合、収益を最大化することができず、結果的に赤字になることがあります。
対策
収支管理を徹底し、収益性の高い商品やサービスの重点化、販売促進活動の展開、コスト削減策の検討など、経営戦略の見直しを行う必要があります。また、市場動向や顧客のニーズを把握し、競争力のある差別化を図ることも重要です。
5.売上予測の不正確さ
原因
適切な売上予測ができない場合、在庫管理やスタッフ配置に誤りが生じ、コストの無駄遣いや収益の低下につながることがあります。
対策
過去のデータや市場調査を活用して、売上予測を行うことが重要です。需要の変動や季節性を考慮し、合理的な予測を立てることで、在庫管理やスタッフ配置を効果的に行うことができます。
6.予算の不適切な配分
原因
予算を不適切に配分すると、重要な部分に資金が回らず、業績低下や赤字の要因となることがあります。
対策
収益とコストのバランスを考慮した予算配分を行うことが重要です。必要な投資やマーケティング活動に適切な資金を割り当てることで、収益を最大化することができます。
7.競合店舗の存在
原因
同じ地域に競合店舗が多く存在する場合、顧客の分散や価格競争が激化し、売り上げが低下することがあります。
対策
競合分析を行い、差別化されたサービスや魅力的な価値提案を行うことで、顧客の選択を促すことが重要です。また、地域やターゲット層の違いを考慮し、ニーズに合わせた戦略を展開することも効果的です。
8.予期せぬ出来事や災害
原因
自然災害、パンデミック、経済の変動など、予期せぬ出来事が起きると、飲食店の収益に影響を与えることがあります。
対策
事前にリスク管理策や危機対策を準備し、ビジネス継続性計画を作成することが重要です。例えば、オンラインデリバリーサービスの導入やテイクアウトメニューの充実、適切な保険の加入など、リスクに対応した柔軟性を持った経営を心がけましょう。また、顧客とのコミュニケーションを大切にし、情報の透明性や安心感を提供することも重要です。
9.悪評やクレームの対応不足
原因
悪い口コミやクレームが広まると、顧客の信頼を失い、集客力や売り上げに悪影響を及ぼすことがあります。
対策
顧客の意見やフィードバックを真摯に受け止め、問題解決に積極的に取り組む姿勢が必要です。迅速かつ適切な対応を心掛け、誠意を持って問題を解決することで、顧客の信頼を取り戻すことができます。また、品質管理やサービス向上の取り組みを継続し、顧客満足度を高めることも重要です。
10.労働力不足
原因
適切な人材を確保できず、サービスの質や効率が低下し、顧客の満足度や収益に悪影響を及ぼすことがあります。
対策
採用戦略や労働条件の見直しを行い、魅力的な労働環境を提供することで、優秀な人材を確保しやすくなります。また、スタッフの教育や研修プログラムの充実を図り、スキルアップやモチベーションの向上を支援することも大切です。労働力の効率的な配置やタスクの分担も考慮し、スタッフの負担を軽減することが重要です。
11.過剰在庫
原因
食材や原材料の過剰な在庫を抱えると、賞味期限切れや品質低下によるロスが生じ、経費増や収益の低下につながることがあります。
対策
適切な在庫管理を行い、需要予測や仕入れの計画を立てることが重要です。過去のデータや売り上げ傾向を参考にして、必要な在庫量を把握し、無駄な在庫を抑えることが必要です。また、メニューの多様化やシーズン商品の提供、仕入先とのコミュニケーション強化などを通じて、効率的な在庫管理を実現します。
12.場所や立地の問題
原因
飲食店の場所や立地が不適切な場合、集客やアクセスの面で課題が生じ、売り上げに影響を与えることがあります。
対策
事前にマーケット調査や競合分析を行い、店舗の場所や立地条件を慎重に選定しましょう。人口密集地や商業施設の周辺、交通の便が良い場所など、顧客の利便性や需要に合わせた適切な場所を選ぶことが重要です。また、看板やサインなどの外部表示物を工夫し、店舗の存在感を高めることも効果的です。
まとめ
赤字の状況でお店を続けていくのか閉じるべくなのか悩むと所ではありますが、ひとつ大きな選択肢として、事業を縮小する、廃業するという手段があることも覚えておくのは手です。赤字のままずっと経営を続け、右肩上がりで赤字が増えていくのであれば、一度リセットするのは、ビジネス戦略であるとも言えます。事業をたたむとなると、スタッフの問題などいろいろと課題は多いですが、このまま続けることが、経営者をはじめとするすべての人が幸せかどうかを検討してみるべきでしょう。