飲食店の資金繰りを解決する方法について解説

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飲食店が廃業する原因の多くが、資金繰りが苦しくなって現金がまわらなくなることにあります。では、どのようにすれば、資金繰りを改善させることができるのでしょうか。

今回は、飲食店の資金繰りを解決する方法について解説していきます。

そもそも資金繰りとは?

資金繰りとは、お店に入ってくるお金と会社から出ていくお金の管理をし、お金の流れをコントロール(管理)することを言います。この資金は、必要な時にすぐに使えるお金のことを指し、すぐに現金化できない不動産や定期預金などは資金には当てはまらず、資産になります。すぐに使える資金を貯めながら、出ていく支出をなるべく抑えていくこと、そしてお金の流れに滞りがないかを管理することが、資金繰りにおいて最も大切なポイントです。

また「資金繰りをしているから、会社の経営状態が悪いのだろう」と思われる場合も少なからずあります。しかしこれは誤解です。会社を継続、また成長させるためには、資金繰りを行い借入金の支払いが滞らないよう気を付けなければなりません。

資金繰りが悪化してしまう理由とは?

資金繰りの悪化を売り上げの減少と結びつける人は少なくないかもしれませんが、毎月の収益と支出の流れが把握できていない、過剰在庫を抱えている、必要以上に経費を割いているなど、資金繰りの悪化にはさまざまな要素が影響します。これらを一つひとつ徹底して管理していくことで、資金繰りが改善し、経営を安定させることができます。

おおよそではありますが、3カ月ほど先までの支払いができる目処が立っていれば、資金繰りは正常だと考えることができるようです。ただし資金繰りの悪化を未然に防ぐためにも資金繰り対策には継続して取り組むことが大切です。

飲食店の資金繰りを解決する方法

飲食店の資金繰りを解決する方法はいくつかあります。以下に具体的な方法をいくつか挙げてみます。

予算と予測の作成

飲食店の資金繰りを改善するためには、まず予算と予測を作成することが重要です。収入と費用の予測を立て、将来の現金フローを予測します。これにより、収益と支出のバランスを把握し、必要な資金を正確に計画することができます。

費用の見直し

飲食店の運営コストを見直し、節約の余地がある箇所を特定します。例えば、食材の仕入れ先を見直し、コストを削減することができるか検討します。また、光熱費や水道代などの固定費も見直し、無駄を省くことができます。

在庫管理の最適化

飲食店では、適切な在庫管理が重要です。過剰な在庫は資金を圧迫し、回転率が低下する原因になります。需要予測を行い、必要最低限の在庫を保つように努めましょう。また、売れ残り品の処分方法も考えることが重要です。

支払い条件の交渉

仕入先やサプライヤーとの支払い条件を再交渉することで、資金繰りを改善することができます。例えば、長期契約や量の増加に対する割引、支払い期日の延長などを交渉することで、現金フローを安定させることができます。

資金調達の検討

資金繰りが厳しい場合、外部からの資金調達を検討することもあります。銀行からの融資や投資家からの資本調達などが選択肢となります。ただし、資金調達には利息や返済の負担が伴うため、慎重に検討する必要があります。

■主な資金調達方法

・国や地方公共団体から公的融資を受ける
・金融機関から融資を受ける
・金融機関のビジネスローンを利用する
・国や地方自治体の補助金・助成金に申し込む
・クラウドファンディングを実施する
・エンジェル投資家(個人投資家)から出資を受ける
・中小企業ファンドから投資を受ける    など

短期的な資金調達手段の確保

突発的な出費や急な資金需要に備えるため、短期的な資金調達手段を確保しておくことが重要です。例えば、オーバーオーダーのためのクレジットカードやラインオブクレジットを利用することで、一時的な資金不足をカバーすることができます。

効率的な人員管理

人件費は飲食店経営において重要な要素です。スタッフの効率的な配置やシフト管理、労働力の最適化などを行うことで、人件費を適正化することができます。

キャッシュフローのモニタリング

定期的なキャッシュフローのモニタリングを行い、資金繰りの状況を把握しましょう。現金の収入と支出を追跡し、予測との比較を行うことで、問題を早期に発見し対策を講じることができます。

信用管理と請求書の迅速化

顧客との信用管理を強化し、支払い遅延や不払いリスクを最小限に抑えることが重要です。また、請求書の作成と送付を迅速に行うことで、収益の回収サイクルを短縮することができます。

専門家の助言を受ける

飲食業界や資金繰りに詳しい専門家やコンサルタントの助言を受けることも検討してください。彼らは経験と専門知識を持ち、具体的な課題に対する解決策を提案してくれることでしょう。

経理・財務管理の強化

正確な経理・財務管理を行うことで、資金繰りの可視化や管理が容易になります。経費の追跡、売上データの分析、キャッシュフローレポートの作成などを効果的に行いましょう。

税金との適切な付き合い方

税務管理は重要な要素です。適切な税金の申告と納税を行い、税務署とのトラブルを避けることが資金繰りの安定につながります。また、税務面での優遇制度や減税措置を活用することも検討してください。

まとめ

今回ご紹介した方法は一般的ですが、飲食店の資金繰り改善は時間と努力を要する作業です。定期的なモニタリングと分析を行い、適切な戦略を継続的に実行していくことが成功への道です。プロフェッショナルなアドバイスを受けながら、自身のビジネスニーズに最適な解決策を見つけることをおすすめします。

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