近年、AIを活用してDXを推進する企業が増えてきた中で注目を集めているのが、2022年にOpenAI社が「ChatGPT」を開発しました。
世界中に散らばる膨大な情報を学習し、さまざまなジャンルについて幅広く回答できるため、世界中で注目を集めています。
そこで今回は、ChatGPTのメリット・デメリットやChatGPTの登場で影響を受ける可能性のある仕事についてご紹介していきます。
目次
そもそもChatGPTとは？
ChatGPTとは、人間のように自然な言語を理解できる大規模言語モデル（Large Language Model：LLMとも呼ばれる）を基盤とした対話型インターフェイスです。
その最大の特徴は会話形式でやり取りできることです。しかも単に質問に答えるだけではなく、質問の前提に含まれる誤りを指摘したり適切ではない質問自体の回答を拒否したりといった、より自然な問答が可能になります。
なお、ChatGPTの開発元であるOpenAI社の設立者にはテスラ社のイーロン・マスク氏も名を連ねています。また、現在はマイクロソフト社が極めて積極的な投資をおこない、研究開発をさらに推し進めています。
ChatGPTのメリット・デメリット
もちろん、ChatGPTのような高度なAI言語モデルは、さまざまなメリットとデメリットを持っています。以下に具体的な点を挙げてみましょう。
ChatGPTのメリット
・即座の応答：リアルタイムでの情報提供や問い合わせ応答が可能。
・コスト効率：24時間365日動作し、人件費を削減する可能性がある。
・多様な知識：大量のデータベースから情報を引き出し、多岐にわたる質問に答えることができる。
・柔軟性：テキストベースのインタラクションを提供し、多くのプラットフォームやアプリケーションで統合可能。
・一貫性：人間とは異なり、疲れることなく、一貫した品質の回答を提供。
・多言語対応：多様な言語での対応が可能。
ChatGPTのデメリット
・完全な理解の欠如：ChatGPTは言葉を「理解」するわけではなく、学習したパターンを基に反応するのみ。
・誤った情報の提供：時として不正確や誤解を招くような回答をすることがある。
・感情の欠如：人間のような感情や共感を持たず、人々の感情やニュアンスを完全には捉えられない。
・制限された知識ベース：最後のトレーニングデータまでの情報しか持っていないため、それ以降の最新情報には答えられない。
・過度な信頼：ユーザーがAIの回答を盲目的に信じることがある。
・エシカルな懸念：不適切な内容を生成するリスクや、ユーザーデータのプライバシーに関する問題など。
AIの進化により、これらのデメリットは緩和される可能性がありますが、その一方で新たな課題も生まれるかもしれません。
ChatGPTを使用して効果的に実施できる業務
ChatGPTは、テキストベースのインタラクションを中心に、多岐にわたる業務をサポートできます。
以下は、ChatGPTを使用して効果的に実施できる業務の具体的な例になります。
カスタマーサポート
・よくある質問への自動応答
・顧客の問い合わせの初期対応
内容の生成・校正
・記事やブログのドラフト作成
・テキストの文法や文体チェック
リサーチ補助
・事実やデータのクイックチェック
・トピックに関する基本情報の提供
教育・トレーニング
・質問応答形式での学習サポート
・言語学習の練習パートナーとしての使用
エンターテインメント
・ストーリーテリングやクリエイティブな文章の生成
・会話ベースのゲームやクイズのサポート
技術的なサポート
・コーディングやプログラミングの疑問への答え
・ソフトウェアやハードウェアのトラブルシューティング
ビジネスアドバイス
・ビジネスアイデアのブレインストーミング
・市場や業界の基本的な情報提供
言語翻訳
・簡単な文章やフレーズの翻訳
・言語間の文化的な違いの解説
日常のタスクアシスタンス
・予定やリマインダーの管理
・チェックリストの作成
情報整理
・大量のテキストからの要点の抽出
・複雑な情報の簡易的なサマリー作成
上記のような業務は、ChatGPTを効果的に活用することで、スピーディーかつ効率的に実施することができます。ただし、極めて専門的な知識や高度な判断が必要なタスクについては、人間の専門家と連携して取り組むことをおすすめします。
この仕事内容で起業は厳しい？ChatGPTの登場で影響を受ける可能性のある仕事
ChatGPTや他の高度なAI技術の登場により、いくつかの仕事は自動化の影響を受ける可能性があります。ただし、完全に「なくなる」とは限りませんが、仕事の内容や構造が変わるか、一部のタスクが自動化されることが考えられます。
以下は、その影響を受ける可能性のある仕事の例になります。
基本的なカスタマーサポート
よくある質問に対する自動応答や、問い合わせの初期対応など。
データエントリー
単純な情報の入力や更新。
翻訳
基本的な文章やフレーズの翻訳。ただし、高度な翻訳や文化的ニュアンスを考慮した翻訳には人間の翻訳者が必要とされるでしょう。
コンテンツ生成
簡単な記事や報告書のドラフト作成。
調査アシスタンス
基本的な事実やデータの検索。
チャットボットオペレーター
シンプルなスクリプトに基づいたチャット対応。
スケジュール管理
基本的なアポイントメントの設定やリマインダーの管理。
基本的な教育・トレーニング
単純な質問応答形式での学習サポート。
一方で、人間の感情や感性、専門的な知識や高度な判断を必要とする仕事は、AIの進化によっても人間の役割が継続して重要であると予想されます。例えば、医療、心理カウンセリング、高度なクリエイティブ業務、戦略的な意思決定などが挙げられます。
また、AIとの協働を中心とした新しい役割や仕事が生まれる可能性もあります。これにより、労働市場の変動や新しいスキルセットの必要性が高まるかもしれません。
今後も「ChatGPT」は注目される！
2023年1月、アメリカのマイクロソフト社はChatGPTを提供するOpenAIに対し、1兆円規模の投資を行うことを発表しました。
ChatGPTはあらたな産業革命の起爆剤ともなりうるとさえ言われる新技術です。今後、あらゆる領域で触れる機会が出てくることと思われます。まだまだ変化していくとは思われますが、現時点でも基礎的な成り立ちや使い方はおさえておきましょう。
