企業側が従業員の副業を禁止することについての法的な問題についてや企業が副業を禁止している理由について解説

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コロナ禍の休業や残業の減少により、副業・兼業が注目されており、検討している方は多くいるかと思いますが、副業について相談したくてもなかなか周りに聞けないこともあります。

そこで今回は、企業側が従業員の副業を禁止することについての法的な問題についてや企業が副業を禁止している理由について解説していきます。

そもそも副業とは?

副業について、実は法律上明確な定義はありません。本業のかたわら副収入を得るために行う本業以外の就労全般を指します。兼業・サイドビジネスとも呼ばれ、副業の就業スタイルも幅広く、アルバイト・在宅ビジネス・内職・派遣などがあります。また、会社など名義を貸す社外役員も副業にあたります。

<代表的な副業例>

・通勤中のスキマ時間などを利用したポイ活:ポイントサイト、ゲームやアンケート回答など
・夜間・週末・連休中などのバイト:飲食店、軽作業、コンビニ、塾講師など
・業務委託による在宅ビジネス:アフィリエイト、Webライティング、ネットショップ運営など
・サービスを提供するサイトや会社に登録:覆面調査、美容モニター、スマホワークなど

企業側が従業員の副業を禁止することについて、法的な問題はあるのか?

結論から言うと、企業側が従業員の副業を禁止することについて、法的な問題はありません。副業禁止にするか否かは、企業側で決定することができます。企業側は雇用契約によって従業員に対する業務命令権を持ち、従業員はこれに従う必要があるためです。したがって、従業員が業務命令違反をした場合、企業側は解雇することも可能です。

ただし、副業を禁止できるのは合理的な理由がある場合です。例えば、長時間労働によって本業に影響が出たり、複数の企業で働くことで機密情報が洩れる恐れがあったりする場合、副業禁止は合理的であると判断されます。

また、競合相手の会社で業務を行うことも、競業避止の観点から副業の禁止・制限が認められています。しかしながら、従業員の副業について法律上のルールは定められていません。基本的には、労働者の意志に任せられています。

公務員は法律で副業が禁止されている

公務員は、基本的に副業が禁止されています。国家公務員法第103条で、国家公務員は営利を目的とする企業や団体の役員との兼業や自営業ができないことが規定されています。また、同104条でも、営利企業以外の事業の団体の役員、顧問もしくは評議員などの職を兼ねるなどの場合も内閣総理大臣およびその職員の所轄庁の長の許可を要すると規定されています。地方公務員も、地方公務員法第38条によって国家公務員と同様に副業が禁止されています。

公務員は、憲法によって「全体の奉仕者」であることが求められています。特定の業種・企業に利益を与えていると取られかねない行為は、慎まなければならないわけです。

企業が副業を禁止している理由とは?

副業を解禁するトレンドが広がる一方で、いまだに副業を禁止している企業も存在します。

何故、企業が副業を禁止しているのでしょうか?ここでは企業が副業を禁止している理由について説明していきます。

社員の業務への影響がある可能性がある

まず、考えられるのが社員の業務への影響です。例えば、本業の他に別の仕事を掛け持ちするダブルワークを行う場合、別の仕事の労働時間が長ければ長いほど本業に影響を与える可能性が高まります。

実際に、建設会社で正社員として働きながら勤務終了後に毎日6時間にわたってキャバレーでアルバイトをしていた社員が解雇された事件について、裁判所は解雇を有効とする判決を出しました。特に社員の拘束時間が長い会社は、社員の副業を認めない傾向があるようです。

情報漏洩のリスクの可能性がある

次に考えられるのが情報漏洩のリスクです。企業には、それぞれ社内にさまざまな機密情報が存在します。営業やマーケティングなどの経営ノウハウに関する情報、経理や財務・売上などのお金に関する情報、新製品・サービスなどのアイデア、顧客に関する情報、従業員の情報、特許やソフトウエアなどの知的財産権に関する情報などが漏れる可能性があるでしょう。特に社員が同業の会社などでダブルワークをするといった場合、情報漏洩のリスクは相応に高まります。

副業先が競業会社だった場合、利益相反につながるから

同じ業種の他の会社で副業を始めれば、副業で成果を出すことが、本業に対して不利益を生じさせる事になりかねません。このような状態は利益相反と呼ばれます。本業の会社は、自社の利益を守るためにも利益相反に当たる副業を制限するでしょう。

国は副業・兼業を促進している

厚生労働省は、副業・兼業の普及促進を図っています。副業・兼業について、企業や働き手がどのようなことに注意すべきかをまとめたガイドラインを作成しており、その中で「雇用されない働き方も含め、その希望に応じて幅広く副業・兼業を行える環境を整備することが重要」と指摘しています。

出典:厚生労働省|副業・兼業の促進に関するガイドライン

まとめ

厚労省が定めるガイドラインから副業禁止に関する規定が削除されたことにより副業解禁の動きが広まる一方で、まだまだ副業を禁止にしている企業は少なくありません。

これから副業を検討している方は、お勤めの雇用契約書を再度確認しておきましょう。

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