【保存版】会社設立時の必要書類9つ!登記時の提出方法・綴(と)じ方も紹介

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この記事では、以下のことについて説明します。

・会社設立に必要な書類9つについて理解できる
・会社設立に必要な書類を自分で綴じられるようになる
・会社設立に場合によって必要な書類がわかる

株式会社の登記申請には何種類もの書類が必要になります。中には不必要なものもありますが、会社社設立に必要な9つの書類の内容や設立の手順、登記申請の方法や費用について解説します。

会社設立に必要な書類9つ

株式会社の設立に必要な書類は下記の9つです。

・登記申請書
・収入印紙貼付台紙
・登記すべき事項
・定款
・就任承諾書
・払込みがあったことを証する書面
・払込証明書
・印鑑届出書
・印鑑証明書(発起人)

いずれも重要な書類なので一つ一つ見ていきましょう。

登記申請書

登記申請書は、法務局に提出して会社の登記手続きを進めるために必要な書類です。
この書類には、主に以下の情報が含まれます。

・会社名(商号)
・本店所在地
・公告方法
・事業目的
・発行可能な株式の総数
・発行された株式の種類、数、総数
・資本金の額
・株式の譲渡に関する制限規定
・役員に関する情報
・添付書類の一覧
・登録免許税 など

不備があると登記が遅れるだけでなく、登記拒否の対象にもなる可能性があるので、情報を正確に記入することが非常に重要です。

登録免許税の収入印紙を貼付した台紙

登録免許税は、金額に対応した収入印紙を台紙に貼って提出する必要があります。

会社設立の登記手続きでは、登録免許税法第25条に基づき、収入印紙への消印は登記機関が行わなければなりません。そのため、提出時には収入印紙に自ら消印を押してはいけません。なお、合計で登録免許税の金額を満たしていれば、収入印紙の額面の組み合わせは問題ありません。

登記すべき事項

申請書やその他の書類だけでなく、商号や本店所在地などの登録事項をまとめた別の資料も提出が必要です。

書面だけでなく、電磁的な媒体でも提出できます。電磁的媒体として認められているのは、「日本工業規格X 0606形式又はX 0610形式に適合する120mm光ディスク」、一般的に言うCD-RやFD、DVD-Rなどです。保存する際には特定の形式のファイルや文字列で保存する必要があります。

定款

定款とは、会社の運営ルールをまとめた文書です。

紙の定款の場合、公証役場提出用、法務局提出用、そして会社が保管するための3通が必要です。会社法に基づいて発起人が協議し作成され、通常、絶対的記載事項や相対的記載事項、任意的記載事項が記載されています。

絶対的記載事項

商号や事業目的など、定款に書き込まなければならない項目。これらの事項が漏れてしまうと、その定款自体が無効になってしまう。

相対的記載事項

定款に書かれていないと効力を持たない事項のこと。たとえば、株式の譲渡に関する制限など。

任意的記載事項

定款に書かれていなくても定款が無効になるわけではなく、または、書かれていなくても効力が否定されない事項のこと。たとえば、取締役や監査役の人数など。

定款の書式は決まっていませんが、定款を変更する場合は株主総会での決議が必要です。初めての作成でも、会社の基本となる大切な文書であることを理解しておくとよいでしょう。

取締役の就任承諾書

役職を明記し、取締役としての就任を了承したことを証明する文書が「就任承諾書」です。

取締役になる際には、この書類の提出が必要です。代表取締役としても就任する場合は、取締役としての就任承諾書とは別に、代表取締役の就任承諾書も作成する必要があります。

払込証明書

会社設立登記における払込証明書は、設立時の資本金が定款に規定された通りに発起人によって指定の銀行口座に振り込まれたことを確認するための書類です。

払込証明書には振り込みの詳細や代表取締役の名前などが含まれており、通帳の表紙や記録があるページのコピーも添付されます。サイズに厳格な規定はないですが、通常はA4用紙が使用されます。

印鑑届出書

印鑑届出書は、新しく設立する会社の実印を登録するための書類です。

会社の設立が確定したら、すぐに実印を作成し、手続きがスムーズに進むようにしましょう。

給与支払事務所等の開設届出書

給与支払いなどの手続きをするために、給与支払事務所等の開設届出書を提出すると、所得税に関する書類が会社に送付されるようになります。税金の未納を防ぐためにも、届出を行っておくことが重要です。

1人の経営者以外にその株式会社では誰も働いていないとしても、自身への支給報酬を対象とするために必要な書類です。

健康保険・厚生年金保険新規適用届

1人の経営者以外にその株式会社では誰も働いていないとしても、健康保険と厚生年金に新たに加入するための必要な書類です。

【場合によって】会社設立に必要になる書類

ここでは、株式会社の設立について、場合によって必要となる書類を説明します。

定款認証関連

場合によって必要な定款認証関連の書類は、以下の通りです。

定款認証に同席できない発起人の委任状

基本的に、公証役場での定款認証には発起人全員が参加する必要があります。

発起人の全員が参加できない場合は、不参加の発起人の代わりに、その人の実印と委任状を準備する必要があります。委任状には、次の内容が含まれていれば問題ありません。

・公証役場で手続きする人の氏名と住所
・代理人に権限を委任する旨の文言
・日付(定款作成日から定款認証申請日までのいずれか)
・公証役場に行けない発起人の氏名と住所、実印(個人)

発起人となる既存の会社の登記簿謄本

たとえば子会社を設立する場合など、個人(自然人)だけでなく、既存の企業も発起人になることができます。

この場合、定款認証を受ける際には、発起人となる企業の登記簿謄本を提出する必要があります。

登記申請関連

場合によって必要な登記申請関連の書類は、以下の通りです。

登録免許税納付用台紙

登記申請の際に、「登録免許税」の収入印紙を貼付して提出する場合に用意される書類です。

ただし、オンライン登記申請し、「歳入金電子納付システム」を使用してATMやインターネットバンキングから納付する場合は、この書類は不要です。

代表取締役を定める場合

代表取締役を定める場合に必要な書類は、以下の通りです。

設立時代表取締役を選定したことを証する書面

「設立時代表取締役を選定したことを証明する書面」は、新しい会社を設立する際に、代表取締役が選任されたことを立証する書類です。設立時代表取締役を選定したことを証明する書面が必要となるケースは以下の通りです。

・取締役会を設置する場合
・取締役会を設置しなくても、代表取締役を選定した場合

「設立時代表取締役を選定したことを証明する書面」に特定のフォーマットはありませんが、法務局のホームページには例が掲載されています。

設立時代表取締役の就任承諾書

代表取締役の就任承諾書は通常、取締役の就任承諾書とほぼ同じ内容です。取締役の就任承諾書は必須ですが、代表取締役の場合は組織の構造によっては必要ないこともあります。

たとえば取締役が1人だけの場合、その取締役が代表となるため、この書類は不要です。

取締役会を置く場合

取締役会を置く場合に必要な書類は、以下の通りです。

設立時代表取締役の印鑑証明書

取締役会が存在する場合、代表取締役の印鑑証明書を提出する必要があります。

なお自治体で印鑑登録が済んでいる場合、手数料を支払うことで印鑑証明書を入手できます。窓口やコンビニ、自動交付機などで手続きを行えますが、印鑑登録が完了していないと印鑑証明書を発行できません。会社設立の初期段階で必要なので、早めに登録を済ませましょう。

ただし、印鑑証明書には有効期限があり、発行から3カ月以内となりますので、余裕を持って手続きするようにしましょう。

設立時取締役の本人確認書類

新しい会社を設立する際には、設立時の取締役全員に関する住民票記載事項証明書や運転免許証のコピーなど、本人確認証明書を添付します。

取締役会を置かない場合

取締役会を置かない場合に必要な書類は、以下の通りです。

設立時取締役の印鑑証明書

取締役会を設けていない会社では、取締役全員の印鑑証明書を提出する必要があります。

監査役を置く場合

監査役を置く場合に必要な書類は、以下の通りです。

設立時監査役の就任承諾書

監査役の就任承諾書の内容は、基本的に取締役の就任承諾書とほぼ同じです。

設立時監査役の本人確認書類

新しく監査役を選任する際には、住民票記載事項証明書や運転免許証のコピーなどの本人確認証明書を添付します。

株主名簿管理人を置く場合

株主名簿管理人とは、株主の名簿の作成・管理を代行する人や団体のことをいいます。

株主名簿管理人を置く場合に必要な書類は、以下の通りです。

株主名簿管理人との契約を証する書面

株主名簿の業務を信託銀行などに委託する場合は、定款に明記しておきます。株式上場を実施する場合には、株主名簿管理人を指定する必要があります。株主名簿管理人を設置する場合には、契約が成立していることを示すためにこの書類が必要です。

株主名簿管理人の選定に発起人の過半数の一致があったことを証する書面

株主名簿管理人を指定する際には、過半数の発起人がその選定に同意したことを明記します。

募集設立の場合

募集設立の場合に必要な書類は、以下の通りです。

株式申込書

株式を購入し、会社に出資する人が提出する応募書類です。

創立総会議事録

募集設立の場合には株主総会の前身となる「創立総会」を開催し、必要な事項を議決する必要があります。その際に作成された議事録は、登記申請の際に提出する必要があります。

払込金保管証明書

発起設立の場合は通帳のコピーが必要ですが、募集設立の場合は金融機関から発行された証明書が必要です。

現物出資がある場合

現物出資がある場合に必要な書類は、以下の通りです。

設立時取締役及び設立時監査役の調査報告書及びその附属書類

現物出資がなされている場合には、この書類が必要です。

資本金の額の計上に関する証明書

現物出資がある場合や資本準備金がある場合には、この書類が必要です。

財産引継書

現物出資をする方が、出資物品の詳細を記載して作成します。

弁護士等の証明書及びその付属書類

弁護士、公認会計士、税理士などが現物出資を証明する場合に使用する書類です。

不動産鑑定書

不動産を現物出資する際には、不動産鑑定士による評価が必要です。

有価証券の市場価格を証する書面

上場企業の株式など市場価格のある有価証券を現物出資する場合には、この書類が必要です。

検査役の調査報告書及びその付属書類

以下の条件に当てはまらない場合、現物出資に関しては検査役が調査と報告を行う必要があります。

・定款に記載した価額が500万円を超えない場合
・定款に記載した有価証券の価額が市場価格を超えない場合
・弁護士、公認会計士、税理士、不動産鑑定士などの証明を受ける場合

この場合、発起人は裁判所に検査役の選任を申し立て、検査役は調査を実施し、報告書を作成します。

会社設立登記時に必要書類を提出する方法・綴(と)じ方

設立登記書類が全て揃ったら、製本します。

ここでは、以下の書類の綴じ方を説明します。

・設立登記申請書
・収入印紙貼付台紙
・登記すべき事項
・就任承諾書
・払込みがあったことを証する書面
・印鑑届出書
・定款
・印鑑証明書(発起人)

なお、印鑑届出書などは別に取り置きます。後でまとめるためにクリップで保管しましょう。

では、以下の手順で進めましょう。

1.設立登記申請書(表紙)を最初に置きます
2.収入印紙貼付台紙を次に置きます
3.定款(行政書士または公証役場で戻ってきたもの)を続けて置きます
4.就任承諾書を続けて置きます
5.発起人の印鑑証明書(別途取得しておく)置きます
6.払込みがあったことを証明する書面を最後に置きます

これらを順番に重ね、左側の2カ所をホチキスで留めます。

「設立登記申請書」と「収入印紙貼付台紙」のページの継ぎ目に会社実印を押印し、残りの書類はクリップで綴じておきます。

まとめ

会社設立には数多くの書類必要になります。

例えば株式会社の場合、定款は公証人の認証を受けなければならず、一度認証されると、基本的に修正がききません。

書類に不備があれば、修正や補正が必要で、再提出に時間がかかることもありますので、企業設立の経験が豊かな税理士に相談しながら、慎重にすすめるようにしましょう。

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