会社設立をした後に行う事として、最初のハードルになるかもしれないのが法人銀行口座の開設です。
起業後1年以内に3割近くの会社がなくなってしまいますので、金融機関もスタートアップ企業に対して口座開設の審査を通すことを躊躇する現状があります。特に起業時はメガバンク(みずほ、三菱東京UFJ、三井住友など)での口座開設は難しいです。
そのような状況に中で、起業時に銀行口座は複数あった方がいいのでしょうか?今回は「起業時に銀行口座は複数あった方がいいのか?」について解説します。
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会社設立後の銀行口座の選択肢となる金融機関の種類
よく目にするのはメガバンク(みずほ銀行や東京三菱UFJなど)かと思いますが、地方に行くと地方銀行(横浜銀行や千葉銀行など)やゆうちょ銀行なども身近にあります。その他にも金融機関の種類があります。以前、Vector Venture Supportで紹介した記事をご参考にしてください。
(関連記事)【起業家必見!】法人口座を開設する銀行(金融機関)の特徴について
何故、会社設立後は銀行口座開設が断られやすいのか?
基本的に会社設立後の大手メガバンク(みずほ銀行や東京三菱UFJなど)の口座開設は難しい現状があります。それでも大手メガバンクで口座開設をしたいと考えている人は、税理士や公認会計士、その他メガバンクとのコネクションがある人や会社から紹介という方法もあります。
その他の地方銀行や信用金庫/信用組合/、ゆうちょ銀行やネット銀行から口座開設する場合、会社設立後は売り上げや利益が上がらない、信用力がない、現在よく取りざたされている法人口座の悪用による犯罪被害(振り込め詐欺など)やマネーロンダリングの防止等のために、現在審査が厳しくなってきています。
(関連記事)「法人口座開設」を断られる3つ理由
起業時に銀行口座は複数あった方がいいのか?
銀行口座を1つにまとめたほうが良い場合、その一番の理由は複数の管理が面倒に感じることでしょう。1つの口座で収支管理ができ、かつ貯蓄も管理もできる人は、1つにまとめてしまったほうが楽なのは間違いないです。
但し、会社設立後には、売り上げや出費が増加してきます。支出と入金口座が一緒だと売り上げ管理がしづらい部分が出てきます。「収入と支出を明確にしたい」と考える人は、口座を2つに分けて管理してみましょう。収入を一つの口座で管理することにより、給与収入などが毎月いくら入ってきたのか把握することができます。一方、そこから必要な資金のみをもう一つの口座に移動させ、そこで支出の管理をします。クレジットカードなどの支出は、すべてこの口座で引き落としの設定を行っていきます。
例えばですが、支払いは手数料が少なく24時間対応できるネット銀行で行い、入金専用口座は通帳が貰えるメガバンク(都市銀行)や地方銀行、信用金庫/信用組合、ゆうちょ銀行などで口座開設することをお勧めします。
売上を計上した日に入金がある訳ではなく、日付はずれる場合が多々あります。そのため、売上簿と通帳を照らし合わせれば、未入金分を見逃すことがなくなってきます。
まとめ
ネット銀行のみ口座開設する場合やJAパンクのみで口座開設する場合、起業後に資金調達を日本政策金融公庫からの融資を行う際、借入・返済口座に指定することはできませんので注意が必要です。更に社会保険の引き落としもネット銀行では出来ません。
起業時にそれほど収支の動きがない場合は、1つの金融機関での口座開設でいいですが、起業時から収支の動きが大きくなる場合には、複数の金融機関での口座開設をしておくことをお勧めします。