次世代へのバトンを渡せ! 事業継承の成功と考え方

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事業承継とは

事業承継とは、会社の事業等を後継者に引き継ぐことをいい、会社の持ち分の承継と経営の引き継ぎが該当しますが、オーナー企業の多い日本の中小企業においては、会社のオーナーが経営権を握っている事例が多いことから、通常は両者同時に行われることが多いと思われます。

持ち分の承継では、会社の株式を後継者に譲渡することでオーナーの交代をし、合わせて代表者もそのまま交代することになります。

事業承継を行う際のリスク

事業承継では上記の通り株式の譲渡が通常は行われることから、もしもこれまでの利益の積み上げが大きく純資産の金額が大きくなっていた場合には、贈与税の負担も大きくなることとなります。

贈与の対象が株式のみであった場合には、贈与を受ける後継者は現金を受け取っていないのに多額の贈与税を負担する必要が生じ、納税に頭を悩ませることとなってしまうでしょう。

一方、経営面においても、事業承継を行う際のリスクは存在します。対外的なリスク、対内的なリスクの双方が考えられます。先代の信用によっていた取引先や借入先は、事業承継後も変わらずに取引を継続する保証はありません。取引の理由があくまで先代の存在であり、仮に同じ会社だとしても、後継者との信用はまた別問題と考える取引先は一定数存在すると考えられるし、そう考えて備えないといけない面があると思います。

また対内的にも同様に、先代が雇用して信頼関係を築いてきた従業員との関係において、トップが変わったことをすぐには受け入れられない人がいる可能性には留意する必要があります。

特に、後継者争いが発生していたような場合には、すぐに社内で一枚岩となって新体制に臨むことは困難を伴うかもしれません。

事業承継を成功させる為には

株式の承継により多額の贈与税が発生してしまい、結果として事業承継が出来ないという事態を避けるためには、事前に対策をしておく必要があります。事業承継の時期をにらんであまり株価が上がらないようにすることや、事前に徐々に所有権を移転させておくことが出来るかもしれません。

また、平成30年の税制改正で非常に使いやすくなった事業承継税制は検討するべきでしょう。経営面においては、事業承継をある日突然社内や社外に公表するのではなく、時間をかけてソフトランディングさせていくことが効果的だと思われます。ある日突然事業承継をしてしまったら、それこそ今まで先代が築いてきた対外的および対内的な信頼関係は崩壊してしまうでしょう。

決定事項としての報告が出来ない段階でも、後継者としての検討の事実を先代から伝えること、変わらぬご愛顧をお願いすることを、やはり先代から伝えることが、スムーズな事業承継に繋がる一つの方法ではないかと考えられます。

                      (監修:シェルバグループ  檜田 和毅
                      (編集:起業のミカタ編集部)

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