定款の変更手続きについて解説

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会社を設立する際には必ず定款を作成しなくてはなりませんが、後になって定款の変更が必要になるケースがあります。定款変更する際には、法律で定められた手続きが必要になり、そのための費用がかかることもあります。

今回は、定款変更手続きについて解説します。

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定款は会社設立後に変更する事ができる

株式会社を設立するには、定款を作成して公証人の認証を受けることが要件になっているため、どこの会社にも必ず定款はあります。会社法では「株式会社は、その成立後、株主総会の決議によって、定款を変更することができる」(466条)と定めています。

つまり、株主総会の決議があれば、会社設立時に作成した定款の内容を会社設立後に変更してもよいということになります。

定款変更の手続き

以下の流れで定款変更の手続きをします。

・①株主総会での特別決議を行う
・②議事録を作成
・③法務局で登記
・④税務署への届け出

①株主総会での特別決議を行う

前述でお知らせした通り、会社法では、定款の変更に株主総会にて決議が行われる必要があります。この決議は特別決議と呼ばれるもので、株式会社では議決権を行使できる株主の過半数が出席する会において、出席する株主の議決権の3分の2以上の賛成がなくては可決されません。変更したい時期が株主総会等の時期であれば良いのですが、そうでない時期に定款を変更せざるを得ない場合は臨時に株主総会等を開く手続きも必要になります。

②議事録を作成

株主総会の決議内容は、議事録として書面で残しておきます。議事録の形式については特に決まったものはありませんが、株主総会を行った日時の他、議決した内容、出席した株主の議決権総数や、決議内容に必要な数の賛成を得たことは明確にわかるようにしておかなくてはなりません。定款変更の場合には、特別決議に必要な定足数と賛成数を得たことを記載する必要があります。

③法務局で登記する

作成した議事録を法務局に持参し、定款変更内容の登記を行います。定款変更に必要な登記手数料は原則として3万円ですが、従来の法務局管轄外となる地域への本店移転などの場合には2件の登記申請を同時に行う必要があるため、合計で6万円の費用が必要になります。

④税務署への届け出

定款の内容は税務署にも届け出ておく必要がありますので、定款変更後には税務署に異動届を提出します。異動届は形式が決まっていますので、国税庁のホームページで取得するか、税務署の窓口に出向いて書類を取得するようにしましょう。

最後に、定款変更の決議をした際に作成した議事録は会社で保管しておくようにしましょう。ちなみに、原始定款には公証人の認証が必要ですが、変更後の定款には公証人の認証は不要です。変更後の定款については、会社で保管しておけばよいことになります。

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定款の変更は2パターン

定款の変更には2つのパターンがあります。1つ目は、定款を変更する際に登記申請が必要なもの、2つ目は定款変更の際に登記申請がいらないものです。

登記申請が必要なものとしては、以下のような変更があてはまります。

登記申請が必要な定款変更事項

・商号の変更
・事業目的を変更
・本店の住所を変更
・発行可能株式総数を変更
・公告方法の変更(官報に載せる、法務省の電子公告制度を利用するなど)

上記の中で重要な変更としては事業目的の変更があります。事業目的は会社の運営状況に応じて、設立当初とは大幅な変更が生じる可能性があります。会社が定款記載の事業目的に違反する行為をしたとしても、刑事罰などは存在しないものの、事業目的に反してした会社の行為は民事上の効果が否定されてしまうという問題があります。そのため、会社設立時にどのような事業目的を定款に定めるかは慎重に判断する必要があります。

尚、定款変更の登記申請をしなければならない場合は、変更に費用がかかります。基本的には、登録免許税として3万円費用がかかりますが、法務局の管轄外に本店を移転する場合や、支店の設置・移転する場合は、金額が変わってくる場合があります。

そして、以下のような事項については、定款で定めている内容に変更が生じても登記は必要ありません

登記申請が不要な定款変更事項

・決算月の変更
・役員の氏名や住所が変わった時
・その他、定款に記載した経営理念の変更など

尚、登記は必要なくとも、定款変更には株主総会の決議が必ず必要です。通常、定款には重要内容だけが記載されているはずですから、その内容に変更を加える場合には会社法上厳格な手続きが必要とされているのです。変更した内容は議事録に記載して保管するようにしましょう。

まとめ

会社の成長や流れによって、会社設立時の定款が合わなくなるケースは多々あります。その際には会社のルールである定款を変更しなければなりません。その場合、株主総会の特別決議や法務局への申請や費用が発生することになります。

今から法人設立を検討されている方は、後々できるだけ変更しないように定款の内容を熟考する必要があります。不安な方は専門家(司法書士など)に依頼することをお勧めします。

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