サラリーマンを辞めて独立開業したのに1年後に潰れてしまうと、その後、生計を立てていくのが返って難しくなるリスクがあります。その為、いきなり会社を興したり、独立するのは不安ですよね。
そんな時には副業をおすすめします。勤めながらであればお金の面でのリスクはなくなりますし、副業には、起業につながるいろいろなことが詰まっています。
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目次
起業をする前に副業することのメリットとは?
起業をするなら、まずは今働いている会社に残りながら副業という形で事業を始めた方が良いです。そこにはいろいろなメリットがあります。
リスク軽減
サラリーマンでも勤務先の倒産や解雇などによって突然収入がなくなるリスクがあります。副業をすることで収入源を複数にすれば、そのリスクは軽減されます。
スキルアップ
副業の良い点はスキルアップができることです。サラリーマンは、往々にして所属している部署のミッションや、与えられた仕事をこなしているだけということが多いです。そのため、仕事がマンネリ化してスキルアップが中々できません。副業すれば今まで自分が経験したことのない仕事をすることができ、スキルアップも可能です。
収入が安定
何より副業から始めることによって、収入が安定します。いきなり独立した場合、収入は大幅に減るか、もしくは全くなくなる可能性もあります。その場合、金銭面のことばかり考えてしまうようになり精神的にも安定しません。一方、まずは副業から始める場合、本業を続けたままですので収入が途絶えることはありません。むしろ本業にプラスして収入が入ってくるため、金銭的には余裕が生まれます。その分を独立の際の資金にすることもできるでしょう。
人脈を広げることができる
副業をしていれば、会社員としての生活では関わりのなかった人々に会う機会も増えます。そこで得られた人脈は、今後本格的に起業する際に役に立つ可能性があります。
本格的に起業するまでの間に集客できる
副業として展開する間に集客しておくことができます。会社を辞めて本格的に起業する段階で、最初は売上0円という状態を回避することが可能になります。
社会保険料の半分は会社が負担
会社勤めをしている場合、社会保険料(健康保険や厚生年金など)半分は会社側の負担になります。一方、独立した場合、全て自分で負担しなければなりません。国民健康保険と社会保険は医療費負担の割合なども異なるので、場合によっては会社勤めをしている方が良いという人もいるでしょう。
経営感覚を養える
会社勤めの場合、会社が給料、保険、経費など全ての事を行ってくれます。しかし起業するとそれらをすべて自分で行う必要があります。特に資金繰りについてはキャッシュイン、キャッシュアウトのタイミングが悪いと事業に影響が出てきてしまいますので、この感覚を身につけると起業する際に大きく役に立ちます。
起業をする前に副業することの注意点
副業にはメリットが多くありますが、以下の点で注意が必要です。
肉体的・精神的な負担が増える
何よりも肉体的な負担はとても大きいでしょう。基本的に本業が終わった後や休日の時間を使って副業をすることになるので、必然的に働く時間は増えます。副業に力を入れるほど、きついと感じるようになるかもしれません。
また副業では金銭的な問題はない分、プライベートの時間が削られていくことでさらに精神的にきつくなるということも考えられます。特に副業を始めたばかりの頃は、単純に労働時間が増加し、体力的な負担が増えるという点に注意が必要です。
本業会社の就業規則は必ずチェックする
以前は副業を禁じている企業が多かったですが、最近では副業を解禁、なかには推奨している企業も出てきました。しかし、勤務先が副業を禁じている場合で申告する場合は注意が必要です。副業で得た所得分の住民税は、自分で支払う普通徴税を選べば会社に知られるリスクは低くなりますが、会社が給与から天引きする分(特別徴税)にされてしまうと、会社に知られてしまいます。
副業収入での税金がかかる場合がある
副業での所得が年間20万以下の場合、確定申告は不要ですが、年間20万以上の場合、1月1日~12月31日までの分を、翌年の2月16日~3月15日に所得税の確定申告をする必要があります。※所得とは、売り上げなどの収入から必要経費を引いたものです。
開業届や青色申告承認申請書を提出しましょう
副業であっても、継続して行っていく場合は個人事業とみなされます。そのため確定申告は必要です。税金についても起業すると考えなければならない重要事項の1つです。事業の場合、青色申告してその特典を受けることで節税をすることができます。そのために、忘れずに開業届と青色申告承認申請書を税務署に提出する必要があります。
公務員は法律で副業が禁止されている
公務員については、法律(国家公務員法103条・104条、地方公務員法38条)によって副業が禁止されています。そのため、投資や事業的規模でない不動産賃貸、業務に支障のない範囲での家業の手伝いなど、一部を除き原則副業はできません。
副業が会社に発覚してしまう原因は住民税
本業の会社に副業が発覚してしまう原因は「住民税」です。住民税は前年の所得をもとに税額が計算され、サラリーマンであれば通常給与から天引き(特別徴収)され、会社が代わりに納税しています。副業で得た所得(収入から経費を引いた利益)をそのまま申告した場合、本業の給与所得と副業による所得が合算され、その金額をもとに計算された住民税額が本業の会社に通知されます。副業の所得分だけ住民税が多くなって会社に発覚してしまうのです。
但し、これは副業にかかる住民税を自分で納付することで防げます。確定申告書や住民税申告書には住民税の納付方法を指定する欄があり、ここで「自分で納付(普通徴収)」を選択すればOK。副業の所得にかかる住民税は直接本人に請求され、会社には通知されません。
しかし、住民税の納付方法を選択できるのは「給与所得以外」の所得についてのみです。アルバイトなど会社に雇用されて得た給与所得は、本業の給与収入と分けて住民税を納付することができません。その場合には市区町村の税務課に直接かけあうことで、副業の給与所得にかかる住民税を直接納付できる可能性はあります。ただし自治体ごとに対応は異なるため、確実にできるとはいえません。
独立につながりやすい副業とは?
独立につながりやすい副業について、4つご紹介します。
アフィリエイト
アフィリエイトとは、自身のウェブサイトで商品やサービスを販売・紹介することで報酬をもらうのことをいいます。 商品やサービスの紹介を行い、それを見た人がサイト経由で商品を買うと一部が収入として還元されます。広告の種類によっては、バナーをクリックした時点で報酬が発生するものもあります。
アフィリエイトは紹介する商品などによって収益が変動します。高額の商品を継続的に売ることができれば、高収入を見込めるでしょう。アフィリエイトの収入が安定してきたら独立・法人化などを検討する人が多いようです。
ネットショップ
Amazon、楽天のようなモール型サイトや自社ホームページを作成し、仕入れた商品を販売する方法をいいます。 安定した売上を上げられるようになるまで時間が掛かかり、初期は全く割に合わないものが多く、長期的に運営するにはさまざまな工夫が必要となります。
しかし、ある一定以上の顧客を獲得できれば、安定した報酬を得られるビジネスであり、多くの人が副業としていろいろな商品を売っています。中には数人で年間で数千万~数億円も利益を上げている方もいますので、色々調べてみる価値はあるのではないでしょうか?
サービス開発
プログラミングはとても将来性のあるスキルです。Webサービスやスマホアプリの開発など、プログラミングスキルをもつ技術者の需要は絶えません。副業としても開発を受託したり、自分でサービスを開発するなど、スキルを活用できる場はたくさんあります。
プログラミングを勉強し、まずは副業から始めて、将来的に独立するという流れで独り立ちする人も多いです。かつてプログラマーなどの職種は会社勤めであることが多かった仕事ですが、近年はノートPCがあれば開発できるような環境も整っているので、企業勤めでないプログラマーも増えています。
ライター
文章を書いて生計を立てる「ライター」も、副業からはじめて独立につなげやすい職業です。特にWeb媒体で記事を書く「Webライター」はライターの中でももっとも始めやすい仕事になります。クラウドワークスやランサーズなどのクラウドソーシングサイトでは、未経験でも可能なWebライターの募集案件が多数存在します。
サラリーマンの副業から独立するタイミングとは?
ではサラリーマンの副業から独立するタイミングはいつになるのでしょうか?
結論から言うと、副業から独立するタイミングは、副業の収入が本業の収入を上回った時がタイミングの候補になります。副業が本業を上回ることは容易ではありませんが、生活に支障をきたさないためには、それくらい慎重であるべきでしょう。
但し、事業が一過性になる可能性があります。今は良くても数年先には下降線をたどってしまうリスクも考えなくてはいけません。そうならない為にも、キャッシュがなくならなければ倒産することはありませんので、まずは資金を潤沢に確保しておくこと。そして、将来的なビジョンや理念を明確にしておきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?独立は少なからずリスクがつきものですが、副業からスモールスタートすることで、そのリスクを可能な限り減らすことができます。せっかく起業しても、長続きしなければ、かえってリスクになります。将来的に起業を検討している人は、リスクをできるだけ避ける為にも、副業で始める事も検討しましょう。