会社をつくるのに住所が必要ですが、株式会社設立時に本店所在地を自宅のマンションにすると、問題になるケースがあります。
今回は、株式会社設立で自宅マンションを会社の住所にする際の注意点についてお知らせします。
※この記事を書いているVector Venture Supportを運営している株式会社ベクターホールディングスが発行している「起業のミカタ(小冊子)」では、更に詳しい情報を解説しています。無料でお送りしていますので、是非取り寄せをしてみて下さい。
目次
株式会社設立をする時の住所に関して
基本的に株式会社設立はどの住所でも設立することが可能です。会社の設立を行うときには、会社の本店所在地を定款に定めた上で法務局で登記を行う必要があります。このときに会社の本店所在地を発起人の自宅にするケースは少なくないと思います。起業する際に約60%は1人で起業するという調査結果があります。1人で起業するときに、オフィスはわざわざ賃貸オフィスやシェアオフィスなど必要ではないと思っている方も多いです。
更に、会社の住所を変更するときには、法務局に変更する手続きをしないといけなく、それにお金がかかるので、なるべく引っ越しする予定のない自宅などを本店所在地とする方は多いのが現状です。
賃貸マンションを会社の住所にする時は不動産会社やオーナーに必ず確認をしましょう
自宅のマンションが持ち家ではなく、賃貸マンションや分譲マンションの場合、会社の住所にする時は注意が必要です。本店所在地は、基本的にどこでも登記可能といってもマンションを賃貸契約する時に会社を登記するときの住所としては使ってはいけませんと決められている場合もあるからです。黙ってても登記できないわけではないですが、後々、会社登記をその住所でやっていると発覚したら大きなトラブルになってしまうのでやめた方がよいです。事前に、不動産会社やオーナーさんに確認をしておきましょう。
分譲マンションを会社の住所にする時は規定を確認しましょう
賃貸のマンションの場合は自分の持ち家でないので、会社の住所を登録することを断られるのも仕方ないかもしれませんが、自分でお金を出して買った分譲マンションであれば自由に会社として登記しても良いと思ってしまいがちです。ただ、分譲マンションだと管理規約というものがあり、そこで会社として登記したり、そのマンションを使って何かをすることを禁止していたりします。その場合は基本的に、会社として登記が難しくなってくるので注意が必要です。
賃貸(分譲)マンション以外の会社設立場所
自宅・実家
持ち家だったり、自分で購入した家であれば、自由に会社の住所として登記はできます。しかし、今回のケースのように自宅マンションでも分譲マンションだったりする場合は慎重に進めるようにしましょう。
賃貸オフィス
不動産賃貸借契約を結び、自社の独占できるスペースを借ります。起業時から複数人のスタッフがいる場合、使われる事が多いです。自由度があり、セキュリティも確保でき、信用度が高いというメリットがありますが、 賃料、保証金、事務機器やオフィス設備の購入など多額の初期投資が必要となる為、ある程度資金があるところではないと難しいのが現状です。
レンタルオフィス
レンタルオフィスとは、業務に必要なイス・机・執務空間・情報機器等を備えたオフィスを、自前で賃貸借契約を結んでビルオーナーなどから事務所を借りるよりも低い初期費用で借りる事ができる貸事務所の総称です。提供サービス、課金方法等の違いでいろいろなタイプに分類できます。一般的にレンタルオフィスは個室となっていることが多いです。
シェアオフィス
シェアオフィスとは自社だけではない複数の入居者がフリーアドレスタイプで使用するものです。レンタルオフィスが個別の占有スペースがあるのに対し、シェアオフィスには基本的にはありません。その為、安価で利用でき、仕事場として高い機能を持ちます。
コワーキングスペース
コワーキングスペースもシェアオフィスと同じようなフリーアドレスタイプですが、シェアオフィスとの違いは、入居者同士がコミュニケーションを図り、繋がりを形成することでビジネスを後押ししている事が特徴です。
バーチャルオフィス
バーチャルオフィスとは仮想の事務所のことで、主に住所貸しのオフィスとなります。オプションで、電話や郵便の転送や、秘書代行サービス、貸し会議室など、運営会社によって提供されるサービスは異なります。ここで法人の方が注意しなければならないのが、本店所在地として、契約するバーチャルオフィスの住所を使用できるかということです。
インキュベーションオフィス(施設)
起業家の育成や、新しいビジネス展開を支援するために、国や地方自治体などの公的機関や大学が提供・運営している施設ですが、近年は民間の施設も増えてきております。入居対象者は「新たな事業展開を図る起業家や中小企業等」となっており、入居にはいくつかの審査があるのが特徴です。入居している方々は同じ志、高い技術を持った企業が多いので、モチベーションや思わぬシナジーが生まれる可能性があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。会社を設立する住所を決めるときは、事前の確認と下準備が必要です。特に株式会社設立の際の分譲マンションを本店所在地として登記するときは、十分に確認をしておきましょう。