飲食店のメニューの価格設定はどのように決めるのでしょうか?競合店の価格を参考にしたり、原価から出したい利益率を鑑みて決めたり、色々な方法があります。料理や飲物の価格の設定は、飲食店ビジネスにとって大変重要になります。
今回はメニューに価格の決め方について解説します。
※この記事を書いている起業のミカタを運営している株式会社ベクターホールディングスが発行している「起業のミカタ(小冊子)」では、更に詳しい情報を解説しています。無料でお送りしていますので、是非取り寄せをしてみて下さい。
目次
メニュー価格の決め方について
原価(原価率)から価格を検討する
一番多い価格設定方法で、当然、原材料費が300円かかっているものを400円や500円で販売していては商売として成り立ちません。
(出典)日本政策金融公庫総合研究所「小規模の経営指標調査2016年
上記表を参考にしてください。飲食店の平均原価率は30%前後です。前述の例から原価300円のメニューであれば、900~1,000円ということになります。原価率30%前後は全体の平均ですが、メニューによって原価率が高くても勝負していきたいメニューもあるはずです。
原価率はあくまでお店側の都合でお客様目線ではありません。あくまでも目安として原価率を鑑みた価格設定をしていきましょう。
お店の客層や雰囲気で価格設定を検討する
他店と同じような料理、メニューでも、どのようなお店で提供されているかでその価格の設定は変わってきます。同じメーカーのビールでもお店によって価格は違ってくるという事です。
お店の雰囲気や客層と価格はとても重要な関係性を持っています。お店の雰囲気以外にも、立地やターゲット層などのそれぞれの相場を意識して価格を設定しましょう。
看板メニューの価格設定から検討する
看板となるメニューの価格帯を設定しておきましょう。中心価格は業態によって異なりますが、例えば基本看板メニューを1,000円にした場合、看板メニュー以上に良い素材を利用したメニューを1,500円にするなど、中心のメニューを決めておけば、他のメニューの価格も決めやすくなります。
お得感のあるメニューの価格から検討する
例えば、牛丼店では350円で牛丼並盛の価格設定をしていますが、いざ注文を頼むと卵やサラダなど追加で頼む事が多いかと思います。350円という値段でひきつけて単価アップするという方法もありますので、お得感のあるメニュー価格から設定をしておくことも得策です。
客単価から価格設定を検討する
客単価からメニューの価格を考えるということもあります。
例えば、客単価3,000円くらいを見込んでいる居酒屋なら、1人でビール3杯、料理が3品とすると、(ビール:一杯500円×3=1,500円)(料理:一皿500円×3=1.500円)合計金額3,000円というようにビールの一杯の価格、料理の平均の価格を出していくと価格の設定がしやすくなります。カフェであれば、客単価を1,000円としたら、(ケーキ:750円)(飲料:350円)(ケーキセット:1.000円)というような価格の設定が出来ます。
まとめ
お客様からしてみればメニューの価格が安いに越したことはありませんが、料理の上手さ、雰囲気、接客など、満足度が高ければメニュー価格が高くても来店してくれるものです。
なかなか当初に決めたメニュー価格から値上げをする事は簡単ではありませんので、安易に安くするのではなく、トールで鑑みてメニュー価格設定を行っていきましょう。