店舗借りる前に読むべし!飲食店開業者が必読の店舗賃貸契約書の注意点

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飲食店の物件契約は、契約条件の確認⇒入居申込⇒入居審査⇒賃貸借契約の4段階のステップになり、借りる物件が居抜きの場合は、ここに造作売買契約が加わります。

希望の店舗物件が見つかり、不動産管理会社の審査が終われば、不動産所有者(貸主)との賃貸借契約を締結する必要があります。取り交わす賃貸契約書の内容は大変重要なことが書かれていますが、普段は見慣れない内容です。

賃貸契約書は、内容をきちんと理解してから契約しなければ、契約した後で一方的に解除することは出来ず、不利益を受ける可能性がありますので、賃貸契約でトラブルにならないためや不利益を受けないためにも、今回は、店舗の賃貸契約書の内容について解説します。

店舗賃貸借契約書とは?

店舗賃貸借契約書とは、事業用の店舗を借りる際の契約書のことです。

契約の一般法である民法では、賃貸借契約の当事者双方は対等・平等の立場であることが前提であるため、一方にとって不利な内容であっても、合意して契約が成立した場合は原則として適法となります。しかし、建物や土地の賃貸借契約では一般的に借主が弱者、貸主が強者という力関係になるため、特別法で借主を保護しています。これが借地借家法(しゃくちしゃっかほう)で、住居として借りる場合、借主は法的に手厚く保護されます。

ただし、事業用の店舗は事業者同士の取引となるため、賃借人の保護は手厚くありません。例えば、居住用では通常の使用による損耗について賃借人に回復義務はありませんが、事業用ではクロスの張替費用などの回復費用を賃借人に負担させる契約上の特約が有効とされることがあります。

いずれにせよ、店舗賃貸借契約書に記載されている内容には注意が必要です。契約当事者の双方が、話し合って契約内容を変更する可能性があることも覚えておきましょう。

賃貸借契約書にはどんなことが書かれているのか?

賃貸借契約書には、普段契約書を見慣れない方には理解しにくく、内容は物件を使用するための契約条件や取引内容についての記載があります。具体的には以下のようなことが書かれています。

契約締結日について

契約を決定した日を明記しています。

物件店舗の基本情報と契約貸主・借主

所在地、賃貸借面積(物件の広さ)。
契約当事者(貸主、借主のこと):賃貸人(甲)貸す人(貸主又は仲介業者)、賃借人(乙)借りる人(借主)。
※貸主について、仲介業者に任せているケースが多いです。

賃料・保証金

店舗の賃料と保証料金について書かれています。

使用目的

店舗をどんな店舗としてのみ使用するものとするという事が書かれています。そして、使用目的を変更しようとするときは、予め書面による承諾を受けなければならないという事が追記されていることが多いです。

店舗契約の更新について

更新を希望しない場合何か月前に申し出るか等の決めごとや、申し出がなかった場合は自動更新になるなどの更新方法が書かれています。また更新料についての記載もここにあります。

契約の解除について

例えば賃料を滞納していたり、そのほか信頼関係を著しく損ねる行為があった場合などに、貸主が予告なく契約を解除することができる旨とその条件が書かれています。

店舗の経費について

電気・ガス・水道などの経費をどちらが負担するかが書かれています。店舗経費は、一般的には借主負担となります。

共益費について

物件のアプローチ(入り口から玄関までの通路)やエントランス、階段・エレベータ、廊下、ごみ置き場など様々な場所や費用が書かれています。

原状回復について

契約解除後の原状回復の有無について書かれています。

連帯保証人について

連帯保証人は、借主と連帯して責任を負う旨が書かれています。

審議誠実の原則について

この契約の解釈に疑義が生じた場合や、契約に定められていない問題が発生した場合、誠実に協議して問題解決に努める旨が書かれています。

貸主によって、賃貸契約書の内容は異なってきますが、大体上記の内容が契約書に盛り込まれています。店舗賃貸借契約書の確認事項は金銭取引の記載だけではありません。店舗物件を使用するための契約条件や取引内容についての条項の記載があります。

借主がチェックすべき賃貸借契約書の重要ポイントとは?

店舗賃貸借契約書の賃料や共益費、水道光熱費、保証金などの基本的な契約条件は必ず確認します。また契約時に必要な手付金や申込金などの費用と支払期限も同様です。それ以外に、備え付けの設備の取り扱いなどについても把握しておくとよいでしょう。

そして忘れがちですが、退去時の賃貸契約条件のチェックもしましょう。例えば退去の申し出が6か月前とされていた場合、万が一業績悪化による撤退を決めたとしても、申し出てから6か月間は賃料を払い続けなければいけないことになってしまいます。また、もしも現状回復が明記されている場合は、退去する際にスケルトンにするなど大きな資金が必要になります。申し込み時に閉店時のことを考えるのはあまり気が進まないかもしれませんが、こういうことは事前に把握しておくにこしたことはありません。

まとめ

賃貸契約書の条件は貸主側と交渉することもできます。しかし、契約書の内容が理解できていなけば、交渉することも問題点を発見することもできません。

問題点が出てしまうと、多額の金額を負担になる事もあり、開業前から経営が立ちいかなくなる可能性があります。ご自身の店舗経営に負担がないように、店舗賃貸借契約書の契約条件をきちんと提示できるように、賃貸契約書の内容を理解しましょう。

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