飲食店を開業するときに、思ったよりも出費が多いのは物件取得にかかる費用です。物件取得費用の中でも、特に多額の金額になるのは、保証金(敷金)です。
そこで今回は、飲食店開業する際の保証金(敷金)について解説していきます。
飲食店の物件取得に関する主な費用
飲食店に物件取得にかかる主な費用として、店舗保証金(敷金)、礼金、不動産業者に払う仲介手数料、居抜物件を受け継ぐ場合、前貸主に払う造作譲渡費、そして前家賃が物件取得に主にかかる費用になります。
(参考記事)飲食店の「店舗物件取得」に係る費用について
そもそも保証金(敷金)とは?
保証金とは借主(店子)が貸主(家主)に預けるお金です。賃借人が賃貸人に対し負う、債務保証担保です。もし賃借人の賃料などの滞納が発生した際、滞納分を負担(担保)するために預けるものです。預けているだけのため、消費税はかかりません。
保証金の相場について
飲食店舗物件の保証金の相場は、賃料の10ヶ月ほどです。物件によりバラつきがあり、高いものでは24ヶ月と設定されていることも。最近では6ヵ月~8ヶ月くらいの募集条件の物件も増えてきました。住居不動産の保証金より高く設定されているのには、以下の理由があります。
まず、商売で使用する店舗物件は、滞納などの賃料未払いリスクが高いという理由です。売上に波が出た月があったり赤字で、どうしても家賃が支払えないケースなどがあるからになります。
次に、退去時のスケルトン戻し(原状回復)工事費用の補填としてという理由です。退去時は借主(テナント)がスケルトン状態に戻し、家主に返却する契約が一般的ですが、万が一、撤退オーナーによる解体工事が実行できない場合、家主は保証金から充当して工事を行います。解体工事には1坪あたり5〜10万円のコストがかかるため、リスクヘッジのための保証金が高額になりがちです。そのため解体工事費用が安い店舗(物販小売り店、軽飲食店)では、2ヶ月~4ヶ月程の募集条件の物件もあります。
保証金・敷金の値段交渉は出来るのか?
減額交渉できるケースもあります。希望条件で申し込み・相談・交渉ができそうかどうかは、交渉前に不動産会社を通じて確認してください。 但し、複数人が申し込んでいる人気物件では交渉は難しいのが現状です。
保証金は戻ってくるのか?
基本的に保証金は償却分を除き、賃貸借の解約時に全て戻ってきます。
返金される金額は、入居時に交わした契約の内容通りになりますので、「賃貸借契約」の契約書内に記載があるので、契約前にしっかり確認しましょう。
返金時期は、店舗物件によって変わってきますが、こちらも「賃貸借契約」の契約書内に記載があるので確認しましょう。記載がない場合は、家主に伝えるか、担当の不動産会社に問い合わせを行いましょう。
まとめ
保証金・敷金は金額も多額ですので、物件契約後や解約時に確認せずに印鑑を押さず、しっかりと「賃貸借契約」を確認することが重要です。
金額交渉は出来ますが、基本的にできないと思って物件を探しましょう。