労働保険には、「労災保険」「雇用保険」があります。「労災保険」については、労働基準監督署に、「雇用保険」については、ハローワークに届出等を行います。
今回は、「労働保険」の基本について解説していきます。
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労働保険の対象
労働保険には、「労災保険」と「雇用保険」があります。
労災保険は労働者が災害にあったときに給付が受けられます。雇用保険は失業、育児、介護休業中のときに給付を受けられます。
1人でも従業員を採用したら強制適用事業所となります。労災保険についても、雇用保険についても家族従業員・役員は原則対象外です。役員であっても、労働者としての業務を行っている場合は兼務役員として手続きします。
労災保険
労災保険とは、業務上のケガ・病気・死亡等や通勤途中でのケガ・病気・死亡に対する給付を行う保険です。
労働時間などに関係なく労働者全員が加入します。全額会社負担になります。
雇用保険
週30時間以上勤務する方もしくは週20時間以上30時間未満の勤務であって1年以上勤務する見込みのある方が対象で会社と労働者双方が負担します。
労働保険の手続き
労災保険は、労働基準監督署で加入手続きを行い、雇用保険は、ハローワークで加入手続きをします。
まず、労働基準監督署に「労働保険 保険関係成立届」「労働保険 概算保険料申告書」などを提出します。
次に労働保険関係成立届の受付印が押された控えを持参して、ハローワークに雇用保険適用事業所設置届、雇用保険被保険者資格取得届などを提出します。
提出期限は、従業員を雇用してから10日以内です。
労働保険の手続き期間は毎年6月1日〜7月10日
年1回 6月1日〜7月10日の間が、労働保険の手続き期間です。手続きが遅れると、政府が保険料・拠出金の額を決定し、さらに追徴金(納付すべき保険料・拠出金の10%)を課すことがあります。
但し、支払う額により、分割払いで納付する事が可能です。
雇用保険と労災保険の両方に加入している事業所の場合
雇用保険と労災保険の年間合計額が40万円以上の場合に、分割払いが可能です。
既存の加入事業所の場合、3回分割払いとなります。
新規に加入した場合、加入時期が4月1日から5月31日までの場合は3回、6月1日から9月30日までの場合は2回、10月1日以降の場合は1回(分割不可)になります。
雇用保険のみに加入している事業所の場合
雇用保険と労災保険の年間合計額が20万円以上の場合に、延納が可能です。
既存の加入事業所の場合、3回分割払いとなります。
新規に加入した場合、加入時期が4月1日から5月31日までの場合は3回、6月1日から9月30日までの場合は2回、10月1日以降の場合は1回(分割不可)になります。