例えば医療分野でも、外科医、内科医、小児科医などがあるように、会社設立前後に必要な司法書士、行政書士、税理士、社会保険労務士(社労士)などの専門家がおります。それぞれ専門性があり、難関の国家試験を通過したエキスパートでもあります。会社人生で長く付き合っていきますので、専門家選びは失敗が出来ないところです。
では、起業前後でどのように専門家を選ぶのでしょうか?今回は起業前後で専門家を選ぶ方法について解説します。
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目次
まずは専門家の得意分野や専門分野を把握する
主に会社設立前後で必要な専門家として、司法書士、行政書士、税理士、社会保険労務士(社労士)が挙げられます。それぞれの特性については下記記事に纏めておりますので、ご確認ください。
司法書士
・法人登記の際に登記の申請代理をおこなえる専門家
行政書士
・公的な書類を作成する際に代行してくれる専門家
・許認可申請を代行してくれる専門家
税理士
・節税や税務アドバイスが行える専門家
・資金調達(融資・出資・補助金など)を相談できる専門家
社会保険労務士(社労士)
・社会保険に加入する際、手続きの代行を行ってくれる専門家
・助成金の手続きを行ってくれる専門家
(参考記事)【会社設立】起業・開業時に相談する専門家について解説
起業前後で専門家を選ぶ方法
それぞれの置かれた状況によって変わってきますが、会社が続く限り、顧問契約をした各専門家と長く付き合っていくことになります。
助成金の申請だけをスポットで依頼する場合には着手金や成功報酬が発生する可能性がありますし、確定申告や決算書作成を税理士に依頼する場合、スポットではなかなか引き受けてくれません。
出来る限り、起業前に顧問先を探しておきたい所ですが、前述の各専門家の得意分野を把握した上で選ぶ方法を5つご紹介します。
コミュニケーション、報連相がしっかりしている専門家を選ぶ
会社を起業したら専門家とは会社が続く限り永続的に付き合っていくことが通常ですので、相手とのフィーリングはとても大切な要素です。
相談したとき、なんとなく冷たかった、話しづらかったなどがある場合、きっとそのとき感じた不安や心配は後になるほど大きくなります。専門家もいろんな方がいますので、より自分が相談しやすい、依頼しやすい方を探しましょう。
あと、専門家に会った後にメールで疑問点や質問をぶつけてみるのも良いでしょう。回答内容や返信時間などを把握することが出来ます。
司法書士、行政書士、税理士、社会保険労務士全ての専門家が在籍している総合事務所を選ぶ
個人の事務所よりも総合的に業務ができる事務所を選ぶ事も得策です。起業にまつわる全ての業務を一気通貫で行うことが出来れば、依頼するほうも楽になります。
起業当初から全ての専門家は必要ではなく、例えば最初に会社設立で司法書士に依頼をし、税理士に記帳代行や税務相談をしながら、会社規模拡大時に人を雇った際に、社会保険などの申請で社会保険労務士(社労士)が必要になってくるケースが出てくる可能性があります。その場合、総合事務所に最初から依頼していれば新たに専門家を探す手間も省け、全て最初に依頼している事務所内で解決することが出来ます。
専門家の得意分野で探す
例えば税理士であれば、税務調査には長けているが、資金調達や補助金でお金を引っ張ってくることに対してはあまり行っていない。行政書士でも、相続については強いが、許認可取得は不得意など、専門家(事務所)によってそれぞれ得意不得意分野があります。
自分の依頼したい業務の分野に専門家が長けていないと意味がありません。しっかりと依頼を検討している専門家の情報を調べ、会った時にも今まで取り扱った実績や事例などのヒアリングを行いましょう。
ベンチャー企業を多く支援している事務所を選ぶ
前述の専門家の得意分野とも似ておりますが、新規開業事業者を多く対応している事務所を選ぶ事も重要です。
但し、事務所を構えたばかりの士業や新規顧客を獲得したい士業間の競争環境は年々厳しくなってきており、既に顧問契約している事業者は、簡単には士業の変更をしない事情から、自ずと新規顧問先獲得のためにもどうしても「新規事業者」をターゲットとしている専門家も多くなってきています。
サイト上でベンチャー企業支援と宣伝していても、内情はベンチャー企業を獲得していかないと事務所が大きくならないので、中にはそれほどベンチャー企業を支援していない事務所もありますので、前述でもお伝えした、今まで取り扱った実績や事例などのヒアリングを徹底しましょう。
資金調達が必要であれば認定支援機関登録の専門家を選ぶ
認定支援機関とは、中小企業の経営相談等に対応できる税務・金融・企業財務等の専門知識や、実務経験が一定レベル以上の個人・法人・団体等に対し、国が認定する公的な支援機関になります。
認定支援機関登録している専門家が事業計画の実効性を確認することが申請の条件になっている補助金や、金融機関とのパイプも多く持っており、信用力が増し、資金調達をスムーズに実行することが出来ます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?起業後になると事業の事で時間を取られてしまいますので、起業前に自分に必要な専門家に何人かに会っておくことをお勧めします。選ぶ際には、単に料金やサービスメニューで比較するのではなく、専門家の強い分野や事例などよく説明を受けてから選んでいきましょう。