飲食店経営者の知恵袋!開業資金の知られざる節約術

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飲食店を開業するにはまとまった資金が必要になってきます。開業する飲食店のサイズや立地、業態などによって変わってくるので一概には言えませんが、小さな規模での飲食店でも数百万円、一等地や内外装にこだわると1,000万を超える開業資金が必要になるケースもあります。

では飲食店開業準備をするにあたり、どこに費用がかかり、どのようにすれば資金を抑えることが出来るのでしょうか?今回は飲食店開業における開業資金の節約ポイントについて解説します。

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飲食店開業準備資金が必要な項目とは?

飲食店を開業する場合は、開業準備として大体500万円~1200万円程度が目安になります。当然ですがお店のサイズや業態、出店場所によって金額は大きく変わります。そして、飲食店開業準備資金としてウェイトが大きくなるのは主にこの5つです。

・物件取得費用
・内外装などの工事費用
・設備・備品費用
・商品の仕入れ
・宣伝費用

まず資金がかかるものとして物件取得する際の保証金(敷金)があります。通常の住居用の物件と違い、おおよそ賃料の10ヵ月分が相場になりますので、例えば月30万円の物件を借りようとすると300万円の保証金を用意する必要があります。そして、厨房機器、看板、内外装などの購入、工事費用についても、飲食店開業準備費用として大きなウエイトを占めます。

他には、備品(食器、調理器具、ユニフォームなど)や商品、開業前に宣伝するためのチラシやHP制作などにも資金が必要になってきます。

みはこちらから。

開業準備資金の節約ポイント

では何をする事で開業準備資金の節約が出来るのでしょうか?節約ポイントは主に6つありますのでそれぞれ解説していきます。

物件(居抜物件)で契約する

居抜き物件というのは、前に入っていた飲食店舗の内装や備品などがそのまま残されている状態のことです。やはり最初から内装や造作があればある分だけ費用は抑えられます。契約する物件があなたの目指すイメージや条件と合っていれば、居抜物件で契約することをお勧めします。場合によっては厨房やインテリアがそのまま使えることもあるので、費用をかなり抑えられます。

しかし注意してほしいポイントは、全くイメージと違う居抜きを取得してしまわないことです。費用を抑えることをメインに考え、イメージが違うと、そもそも最初に立てたコンセプトから外れてしまい、業態や客層まで変更しなければいけなくなります。

造作譲渡金の交渉をする

造作譲渡金とは、内装や器具、家具などが残っている状態のものを譲り受ける時に発生するお金です。スケルトン物件には造作譲渡金はありませんが、1から器具などを揃える必要があるので資金もかかります。居抜き物件にして、さらに造作譲渡金を交渉によって抑えることができれば、安価で什器などの器具を揃えることも可能となります。

保証金(敷金)・礼金を交渉する

前述でもお知らせした通り、物件によって様々ですが、店舗物件での相場としては、敷金・礼金を合わせて家賃10ヶ月分くらいです。但し、同じ地域で家賃が違うように、物件のオーナーによって敷金や礼金の金額も変わってきます。人気のある土地や人気物件に関しては交渉は難しいですが、自分または不動産仲介業者から物件オーナーに対して交渉をしてみましょう。

出来る限り自分や友人・知人によるDIYをする

自分でやれることは自分でやった方が当然費用も下がります。DIYが得意な人や、手作りの方がお店のよさを表現できる場合には、費用を抑えられる手作りでもいいでしょう。

ただし、技術に自信のない人がやっても完成度が低い部分をお客様に見抜かれてしまいますので注意が必要です。装飾や家具、塗装など、簡単にできそうなところから検討してみましょう。

リサイクルショップの利用する

初期投資を抑えるために、什器や厨房機器の準備に関しては、新品ではなく中古品を探す方法もあります。最近では飲食店専門のリサイクルショップがあり、新品に近い状態でも格安な良品と出会える場合もあります。

相見積もりを取ること

大きな金額が動く内外装業者を選ぶ際に相見積もりを取りましょう。2~3社に声をかけ、条件提示してもらう事を必ず行いましょう。業者によって数十万から数百万の違いが出てくる可能性があります。

但し、費用の事ばかりを考えて、飲食店の経験がない業者であったり、当初イメージしていたものよりも変わってしまうと余計な追加費用が発生しますので注意が必要です。

こちらから。

開業準備資金だけではなく開業後の運転資金も頭に入れておく

物件取得や内外装など多額の資金がかかる事にとらわれ、開業後の運転資金について認識を疎かにしている人も多いです。

開業時に残しておく運転資金は当然多いに越したことはないのですが、目安としては毎月かかる費用の2~3ヶ月間分の費用は運転資金として残しておきましょう。毎月かかるものとして、家賃、光熱費、通信費、人件費、食材費、広告宣伝費などが挙げられますが、これらが2~3ヵ月程度まかなえるだけの運転資金は用意しておきたいところです。

資金調達は必要

これまで開業資金を節約するポイントをお知らせしましたが、それでも自己資金だけでは飲食店を開業することが難しいです。飲食店を開業する人の多数が資金調達による資金の工面をしています。ではどのような方法で資金の借入をすればいいのでしょうか?主な資金調達方法として4つあります。

・日本政策金融公庫を利用する
・信用保証協会付き融資を利用する
・クラウドファンディングを利用する
・友人・知人、親族から借りる

この中で一番飲食店開業者が利用している資金調達方法として、日本政策金融公庫による調達です。無担保無保証で借入することができ、金利も2~3%と安価です。審査から1ヵ月程度で着金できるのも魅力の一つです。他には信用保証協会付き融資を利用する方法もあります。日本政策金融公庫と同様に安価な金利で借り入れすることが可能です。

更に最近よく行われている資金調達手段として、クラウドファンディングで調達する方法もあります。クラウドファンディングとは、群衆(Crowd)と資金調達(Funding)を組み合わせた造語で、インターネット上で不特定多数の人から資金を集める仕組みのことです。SNSとの親和性も高く、資金集めだけではなく、ファンの獲得や認知度アップにも活用できます。

そして、親しい友人や親族からの借り入れについてですが、いくら身近な存在でもお金を借りるにはリスクを伴います。お金の返済が遅延したり、多額のお金を借りようとすれば当然、信頼関係が崩れる可能性があります。トラブルが起きないように、契約書/誓約書などを交わしておくことをお勧めします。

最後に、国や地方自治体から出ている補助金や助成金を資金調達に検討している人もいますが、そもそも補助金や助成金は採択されてもお金の着金が数か月から1年後になりますので、開業準備の費用に充てることは出来ませんので認識しておきましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?物件の探し方や設備や備品を選ぶ際などに、考え方ひとつでコストを抑えて運営していくことができます。

但し、開業資金の節約ばかり気を取られ、欠陥物件で契約してしまった場合、追加費用もバカになりません。しっかりと不動産業者やオーナー、そして内外装業者の話を聞いたり、出来れば同行してもらい、厨房機器やダクト、エアコンなどの空調のチェックをしてもらいましょう。

そして、必ず事業計画書を作っておきましょう。何に費用が掛かるのか、どのくらい費用が掛かるのかが明確になり、融資を受ける際にも事業計画書は必要になりますので、事前に作成しておきましょう。

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