起業前後に関連する専門家としては司法書士、行政書士、税理士などが挙げられますが、中には起業直後から弁護士を顧問として入れている企業もあります。
今回は、弁護士の探し方について解説します。
目次
そもそも弁護士とは?
弁護士とは、国家資格を持つ法律の専門家のことです。難関の司法試験に合格したのちに司法修習生として1年間勉強を積み、修了時に課せられる試験にも合格しなければ弁護士にはなれません。数ある国家資格のなかでも、かなり難易度の高い資格といえるでしょう。
弁護士の仕事内容について
弁護士は、依頼人の法律トラブルを解決する手助けをします。当事者同士では解決するのが難しい、法律に関するトラブルの相談を受けて、法的手続きが必要な場合は依頼人の代理を務めます。法的手続きは弁護士に依頼しなくとも自分で行うこともできますが、手間がかかりますし、法律の知識も不可欠です。仕事や家事をしながら裁判所に提出する書類を作成したり、裁判所に何度も出向いたりということは難しい場合もあるでしょう。
弁護士に依頼すればこれらの手続きは代理してもらえます。何より、法律のプロとして依頼人が望む結果を得られるよう、総合的にサポートしてくれるので心強い味方となるでしょう。
初めての弁護士の探し方とは?
友人・知人からの紹介
まず、弁護士を探す方法で一番安心できるのが、友人・知人からの紹介です。紹介してくれる友人・知人が信頼のおける人物で有ることが前提となりますが、友人・知人からの紹介という事で親身に対応してくれる可能性があります。
デメリットとしては、自分と紹介された弁護士との相性が悪かった場合は、変更しづらい場合があります。
弁護士会に相談する
各地区の弁護士会に相談する方法があります。弁護士会は、法律相談センターを開設し様々な法的トラブルの相談に応じていますし、過疎地でも年に数回の法律相談を行っています。市役所等の役所で法律相談会が開催されることもあります。各弁護士会のホームページから法律相談センターの状況を確認することが出来ます。相談料は30分以内5,000円前後です。
当然ですが、対応する弁護士によって向き不向きがありますので、多く質問し、今までの実績や経験年数を尋ね、弁護士としての能力を確認しましょう。
(引用:日本弁護士連合会HP)全国の弁護士会・弁護士会連合会
法テラスを利用する
法テラスは、「全国どこでも法による紛争の解決に必要な情報やサービスを受けられる社会の実現」を目指して『総合法律支援法』に基づき設立された公的機関です。各県に1箇所はあり、一定の条件の基で経済的に困窮な方が法的トラブルに遭遇した時に、無料で法律相談を受け、弁護士の費用の立替を受けることが出来ますので、経済的に余裕のない企業にとっては無料で相談できる可能性があるというのはメリットになります。その他、保全処分(仮差押、仮処分)の保証金を立て替える制度もあります。
デメリットとしては、依頼できる弁護士が法テラスのスタッフ弁護士か登録弁護士に限られますので、自分の相談内容と弁護士のスキルが合わないなどある可能性があります。
インターネットで探す
インターネット(GoogleやYahoo!など)を使って「起業 弁護士」「〇〇県 弁護士」「(相談内容) 弁護士」などのキーワードで検索して探す方法もあります。手軽に空いた時間で探すことが出来ます。
但し、インターネット上に出ている情報を見て一見よさそうだと感じても、あくまでもホームページやランディングページは作られたものです。検索して実際に電話や対面での面談をし、自分と相性のよい弁護士を探しましょう。
弁護士サイトで探す
上場企業である弁護士ドットコムで探す方法があります。弁護士や弁護士事務所を探せる検索サービスを提供しており、地域別や各弁護士の料金表や解決事例を見ることができます。
弁護士の選び方とは?弁護士選びのポイント
様々な方法がありますが、基本的に、何でも話ができ、相互理解し易い弁護士を選ぶとよいでしょう。その他、対応力(多くの案件を抱えた弁護士の場合、思った以上に連絡が遅い場合がある可能性がある)や取り扱い分野の実績があるかなどが選ぶ基準になります。以下で弁護士選びで後悔しないためのポイントを解説します。
中小企業でのトラブルについて経験豊富な弁護士
弁護士を選択する際は、中小企業で起こりやすいトラブルについて経験豊富な弁護士を選択しましょう。中小企業で起こりやすいトラブルとは「労働トラブル」「債権回収」等の上記で記載しているトラブルです。
中には、個人や大企業に対する活動を中心としている弁護士もいます。そのような弁護士は、中小企業でのトラブル解決の実務に精通していない可能性があるため、注意が必要です。
自身の事業内容に精通した弁護士
一概に弁護士と言ってもそれぞれの得意分野があります。一例を挙げると「IT問題に強い弁護士」「クレーム問題に強い弁護士」「不動産問題に強い弁護士」等です。その得意分野が、自分の事業内容にマッチしている弁護士を選びましょう。
そうすることで、トラブルが起こった際も、その分野における経験からスムーズに解決に導いてもらえます。また、それだけではなく、自身のビジネスモデルへの理解があることから、より実情を考慮したアドバイスを受けることができるでしょう。
レスポンスが早く、継続的に連絡が取れる弁護士
事業で起こり得るトラブルは緊急を要するものが多いです。そのため、弁護士選びの際は、レスポンスの早さや、継続的な連絡が取れるか否かに着目しましょう。
レスポンスが遅い弁護士の場合、有事の際に連絡が付かず、自分が今何をするべきかが分からなくなる場合があります。それが原因で余計に不安な気持ちになってしまうでしょう。
実践的で分かりやすい話をしてくれるか
弁護士選びの際は「実践的で分かりやすい話をしてくれるか否か」も重要です。
中には「事業の実情を踏まえずに、机上の知識を並べるだけの人」「ある程度の知識が備わっていることが前提で話をする人」「弁護士という立場から高圧的な人」も存在するため注意が必要です。
有益な情報提供をしてくれるか
トラブルが起こった際以外にも、有益な情報を提供してくれるか否かも弁護士選びのポイントとなります。会社のビジネスパートナーとして、現在の社会動向や法改正等から何をすべきかの助言を積極的にしてくれる弁護士の場合、トラブルの未然防止や、経営の意思決定を行いやすくなります。
これは実際に契約しないと分からない部分ではありますが、公式ページ等で公約している場合もあるため、是非確認してみましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?以上が弁護士を探す主な方法になりますが、ハードルが高いと思われている弁護士ですが、現在は無料相談ができる民間の弁護士事務所が増えているうえ、分割払いに対応している事務所も多くなってきています。弁護士に依頼する際には費用面だけでなく、相互理解し易い、信頼のできる弁護士を選ぶようにしましょう。