四ツ谷で大衆居酒屋を経営している起業のミカタ編集長です。
毎月10~20人程度の飲食開業予定者の相談を受けていますが、相談内容の9割は資金面についてですが、売上げや利益などがどのくらい見込めるかを計画していない状態でお店の不動産契約をしてしまっている方がいらっしゃいます。そもそも資金は足りるのでしょうか?資金調達する見込みはあるのでしょうか?。飲食店は廃業率が他の業種に比べて高いですが、一番の理由は資金や計画の見誤りです。
今回は、飲食開業するにあたり、最初にやってはいけないことをお伝えします。
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不動産を先に契約するのはNG
飲食店開業を検討する際に、必ずどの物件にするか検討しますが、「自分が気に入ったところが空いている」「この場所であれば保証人である親族も納得している」「仮抑えできる期間は2週間程度しかない」といった理由で、不動産契約を先に済ませてしまう場合があります。
但し、これは大きな間違いです。不動産業者も会社のノルマで早く仲介手数料が欲しいという理由で、契約を早くするように催促します。契約をしてしまえば、そこから家賃が発生します。内装工事の段取りなども決まっていないので、開業までにまだまだ時間がかかってしまいます。その間も家賃は発生し続けてしまいます。そして、その家賃でお店が経営できるかも全くの未知数です。場合によっては、いくら頑張っても黒字にならないような高い家賃の可能性だってあります。
運転資金や設備資金などが不明確な状況で不動産を決めるのは大きなばくちです。
では何から始めたら良いのか?
まず飲食店開業を行う際に始めることは、事業計画書を作成しましょう。
(参考記事)事業計画書は資金調達の為だけではない!? 起業を成功させる為の事業計画書作成のSTEPを解説
大枠で必要になる資金がどのくらいになるのかを「自己資金」「運転資金」「設備資金」の項目で、必要な出資や融資金額を割り出しましょう。業態や場所によって必要な費用が変わってきますが、おおよそ自己資金3割、出資・融資7割の割合が一般的です。
そして、諸々の飲食店を開業する為に必要な金額が決定すれば、初めて不動産に使える金額が分かり、その予算内で不動産を決めることになるのです。
何故、先に事業計画を作成するのか?
事業計画書を先に作成すると、飲食店開業までに「資金面はいくら必要なのか」「具体的に物件はいくらくらいの所にするのか」「内外装はいくらまで使えるのか」などを開業後の運転資金までトータルで事前に把握することができます。
例えば、現在の事業計画と想定できる融資金額では難しい場合、「開業を延期し自己資金を増やす」「不動産の投資金額を減らし、売り上げ計画の見直しをする」「内外装や設備の投資金額を落とす」「ここなら不動産の場所で開業できる」などといった事が事前に手を打つことが出来るのです。
すぐに飲食店を開業したいというお気持ちもわかりますが、そもそも資金や計画面でお店が成り立つか否かを算出してみないことには、お店の成功率が変わってきます。
まとめ
飲食店開業するにあたり、事業計画をしないということは致命的になります。飲食店開業を検討している方は、まず事業計画の作成を最初に行いましょう。それが、皆様の失敗を防ぐ方法の一つになります。