会社はキャッシュ(お金)が枯渇すれば事業の継続はできません。黒字であればキャッシュが増え、赤字であればキャッシュが減るといった単純なものではなく、黒字でもキャッシュがどんどん減っていくことがありますし、赤字なのにキャッシュが潤沢にあるという事もあります。
キャッシュの残高は、経営をしていくうえで最も注意しなければならない数値になります。今回はキャッシュフローの改善方法について解説します。
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目次
キャッシュフローとは?
キャッシュフローという言葉をご存知でしょうか。キャッシュフローとは、ある一定期間におけるキャッシュの増減のことをいいます。キャッシュが増えることを、キャッシュ・イン・フロー(キャッシュ・イン)といい、キャッシュが減ることを、キャッシュ・アウト・フロー(キャッシュ・アウト)といいます。一定期間のうちに、どれくらいお金の流入(キャッシュ・イン)があり、どれくらいお金の流出(キャッシュ・アウト)があったかを記録し、その差分を出すと「キャッシュ・フロー」になります。
キャッシュフローの改善する方法とは?
では、どのようにして会社のキャッシュフローを改善させればよいのでしょうか?主なキャッシュフロー改善方法を6つお知らせします。
資金調達をする
当然ですが、資金調達により余裕資金を確保するなどで、手元にキャッシュされあれば企業は潰れません。まずは手元資金を潤沢にした経営をすべく、資金調達の検討をしておきましょう。但し、融資など返済があるものについては金利も含めて返済する為、借りすぎには注意が必要です。
キャッシュインを早くキャッシュアウト遅くする
入ってくるお金を増やしたり、出て行くお金を減らしたりするためには、ビジネスを抜本的に変える事を余儀なくされる為、すぐに実行に移すことは出来ませんが、キャッシュインを早めにし、キャッシュアウトを遅らせることでお金の出入りのタイミングをずらし、手元に残る現金を多くするという方法をとることは意識的にできます。
例えば、キャッシュインは前払いや一括支払いにしてもらい、キャッシュアウトは末締め翌末日払いなどの後払いにする事によってキャッシュフローが改善することが出来ます。
その他、支払いを法人用クレジットカードを利用することによって、キャッシュアウトのタイミングを遅らせることができます。法人用クレジットカードは最大で2ヶ月ほど遅らせることができるため、キャッシュフローの改善に効果的になります。
未回収を無くす
売上げの回収遅れや回収漏れがないように徹底的に管理することも重要です。予め、取引先の与信を調べ、経営状態を把握したうえで取引を行うべきです。そして、請求書、納品書などの書面でのやり取りは欠かさずに行いましょう。
無駄な経費・出費は削減する
過分な接待費や出張費用など、現状の売り上げや利益を生まない経費を削減することで、キャッシュフローは改善されます。「今後の利益を生む経費だ」と考えている経営者もいるかと思いますが、現状のキャッシュ状況を鑑みて行動に移すべきです。ちなみに筆者が楽天に在籍していた頃、あんなに利益を生んでいる会社にもかかわらず、コピー量の削減(紙を出す行為を減らす)やMTGの数を減らすなど、モノ・人の生産、そして経費を徹底的に見直す経営をしていました。
在庫量を減らす
飲食店で多いのですが、食材の在庫がいつも余っていては経営に支障がきたしますし、健全ななキャッシュフローではありません。他の業種でも、商品、製品、材料、仕掛品などの在庫を減らすことでキャッシュフローは改善されます。
消費税の納税義務を免除してもらう
要件を満たすことが条件ですが、消費税の特例措置がある起業2期間の消費税免税になる制度があります。消費税の納税義務を免除してもらうことによって、キャッシュフローは改善します。
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まとめ
まずはキャッシュがないと企業の経営は成り立ちません。帳簿上の売上だけでなく、実際に手元にあり自由に使えるキャッシュ(現金)をいかに多く確保するかが健全経営の第一歩と言えます。
スタートアップ時は経営者が経理も担当する事が多いですが、経営者が経理のプロというケースは少なく、逆に苦手にされている経営者が多いと思います。解決策としては自分でも数字の管理をしつつ、顧問税理士と相談する事です。税理士はお金を見るプロでもあり、キャッシュフローが健全ではない状況をいち早く気づく事が出来ますので、1人で抱えないでお金のプロである税理士と二人三脚で会社のキャッシュフローをチェックしていきましょう。