起業してビジネスが順調に伸び始めると、どの経営者も一度は、もっとビジネスを大きく展開するために資金を集めることを考えます。
起業当時であれば、創業融資(日本政策金融公庫など)で資金を調達するケースが多いですが、ビジネスレベルが上がってくると、ベンチャーキャピタルによる出資やエンジェル投資家による出資を検討するようになります。
では、投資家から自社のビジネスに興味を持ってもらうようなビジネスモデルはどのようなものなのでしょうか?今回はエンジェル投資家から出資を受ける方法について解説します。
※この記事を書いている起業のミカタを運営している株式会社ベクターホールディングスが発行している「起業のミカタ(小冊子)」では、更に詳しい情報を解説しています。無料でお送りしていますので、是非取り寄せをしてみて下さい。
目次
エンジェル投資の基本
エンジェル投資家とは、起業家のスタートアップを助ける個人投資家です。銀行が出すお金は「融資」ですが、エンジェル投資家が出すお金は「投資」です。
銀行から融資を受ければ、そのお金を返済しなければいけませんが、エンジェル投資家から出資を受けたお金は返す必要がありません。エンジェル投資家は、投資したお金を企業から直接回収せず、将来そのベンチャー企業が株式上場した際の出資金のキャピタルゲイン(※)を得ることを目的としているからです。
キャピタルゲインを目的としていますので、何の利益も見込めないようなベンチャーに対しては基本的に投資はしませんが、エンジェル投資家のなかには、賭けという気持ちがなく、純粋に「起業家のビジネスに共感し、社会の課題を解決したいという思いをサポートしたい」という思いから投資をする人も多くいるのも事実です。
キャピタルゲインとは
価格変動の大きい株式や投資信託、FX(外国為替証拠金取引)がキャピタルゲイン投資の代表格です。
(参考記事)エンジェル投資家とは?出資を受けるメリットデメリット
エンジェル投資家から投資を受けるためには?
もっと大きなビジネスをするためには、投資家からお金を出したいと言ってもらえるように日頃から準備をしておくことが大切です。投資家から大きな出資を受けるために必要な5つをご紹介します。
①エンジェル投資家と出会うこと
当たり前のことですが、エンジェル投資家に投資をしてもらうためには、エンジェル投資家と出会うことが必要です。
起業家とエンジェル投資家を繋ぐマッチングサイトや金融機関や人材企業、全国各地の自治体、経済団体などが開催する起業家と投資家のイベントやセミナーに参加もありますが、「この人に投資してほしい」という具体的な希望があるなら、直接、手紙やメール、SNSでコンタクトを取ってみるのも有効です。
②投資家の方から興味を持ってもらえるようなビジネスモデル
エンジェル投資家から投資をしてもらおうとするには、まず彼らから「この人の話を聞いてみたい」と思われることが重要です。そのためには、投資家から興味を持ってもらえるようなビジネスモデルが必要です。投資家から興味を持ってもらえるようなビジネスモデルとは、大きく次のような要素です。
・実績があり優秀なメンバーが揃っていること
・事業の収益性(利益率)が非常に高いこと
・既にその収益性を実証する証拠が沢山揃っていること
・事業の成長の道筋があること
・人員計画、予算計画等がしっかりしていること
これらの条件を満たすビジネスをしていれば、自ずと業界内でも認知され、投資家の方から投資したいと言ってもらえるようになるでしょう。
③エンジェル投資家が投資したくなる起業家(事業者)であること
エンジェル投資家は、投資するか否かを判断する際に、起業家(代表者)の資質を重視します。資質とは「強い体力」「圧倒的な自身」「チャレンジする目標設定」「リスクを恐れない」「失敗を活かす力強さ」「リサーチ能力」などを兼ね備えた人物になります。
④投資する事業が社会に与える価値があること
投資家は様々なビジネスモデル、そして自身でも成功してきた体験から、良いビジネスは勝手に成長することを知っています。事業の収益はもちろん、事業が社会に与える価値があれば、投資家から興味を持ってもらえます。
⑤事業を成功させるためにやるべきことを明確に伝えられること
当然ですが、自身の事業をエンジェル投資家に明確に伝えられなければ、出資を受けることは出来ません。
明確に伝えるために、あらかじめ事業計画と予算計画に基づいた実行計画を作っておきましょう。そして、投資家に、あなたがそのチャンスを掴むに値するプランを持っていることを示しましょう。
まとめ
近年広まりつつあるエンジェル投資家だからこそ、新たな資金調達方法の一つとして発展していく可能性も大いにあります。
エンジェル投資家の多くは元起業家が多い為、ビジネスを見る目も優れています。その為、事業内容に自信をお持ちの方は、エンジェル投資家からの出資を受け、資金調達を行うという方法も考えてみましょう。
但し、エンジェル投資家から出資を受けるためのデメリットもありますので、慎重に検討することをお勧めします。